ベッセル関数の不定積分公式

αβ のとき

 ベッセル関数の満たす微分方程式は次式で与えられる. (1)zu+u+(α2ν2z2)zu=0(2)zv+v+(β2ν2z2)zv=0 ただし,uv は各々,z に関する1階微分,uv は各々,z に関する2階微分を示す. いま,式(1)×v(2)×u を計算すると次のようになる. {zu+u+(α2ν2z2)zu}v{zv+v+(β2ν2z2)zv}u=0z(uvvu)+(uvvu)=(β2α2)zuv(3)ddz{z(uvvu)}=(β2α2)zuv 両辺をzで積分すると, (4)z(uvvu)=(β2α2)zuv dz αβのとき, (5)zuv dz=z(uvuv)α2β2 第1種ベッセル関数を考えれば,u=Jν(αz)v=Jν(βz)として, (6)u=dudz=αJν(αz)(7)v=dvdz=βJν(βz) ただし,Jν(αz)Jν(βz) は,各々,Jν(αz)Jν(βz)αzβz に関する微分を示す. これより,次の不定積分公式が得られるzJν(αz)Jν(βz)dz(8)=zα2β2{βJν(αz)Jν(βz)αJν(αz)Jν(βz)}   (αβ) 上式は,第1種ベッセル関数Jν(αz)Jν(βz) だけでなく, においても成り立ち,もちろん,次のように混在しても成り立つ. zJν(αz)Nν(βz)dz(9)=zα2β2{βJν(αz)Nν(βz)αJν(αz)Nν(βz)}   (αβ)

α=β のとき

また,α=β のときは,式(1)×2zu を計算すると次のようになる. {zu+u+(α2ν2z2)zu}2zu=02zu(zu+u)+2(α2z2ν2)uu=02zuddz(zu)+2(α2z2ν2)uu=0ddz{(zu)2}+ddz{(α2z2ν2)u2}2α2zu2=0(10)ddz{(zu)2+(α2z2ν2)u2}=2α2zu2 両辺をz で積分して, (zu)2+(α2z2ν2)u2=2α2zu2dz(11)zu2dz=12{z2α2u2+(z2ν2α2)u2} ここで, (12)u=Jν(αz),     u=dudz=αJν(αz) のとき,次のよく知られた不定積分公式が得られる(13)zJν2(αz)dz=12{z2Jν2(αz)+(z2ν2α2)Jν2(αz)} 同様にして, (14)zNν2(αz)dz=12{z2Nν2(αz)+(z2ν2α2)Nν2(αz)}

代表的な数学公式は,