第65回中日理論言語学研究会のご案内
2025年8月26日
中日理論言語学研究会 事務局 星 英仁
残炎の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
第65回中日理論言語学研究会では、下記の通り、研究会を開催いたします。ご多忙の時期とは存じますが、多くの方々のご参加をお待ち申し上げます。
記
日時:2025年9月28日 (日) 午後13:30から17:30まで
会場:同志社大学大阪サテライト・キャンパス(※対面開催のみ)
〒530-0001 大阪市北区梅田1-12-17 JRE梅田スクエアビル17階
TEL:06-4799-3255
アクセス:https://www.doshisha.ac.jp/information/campus/access/osaka_o.html
参加方法:参加を希望される方は、下記のURLまたは添付したチラシのQRコードにアクセスし、2025年9月21日(日)の21時までにGoogle フォームにて参加申込書をお送りください。なお、会場の収容人数の関係上、参加には人数制限がございます。上記日時より前に受付を終了する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
上記日時より前に受付を終了する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
Forms URL: https://forms.gle/AtYBpkCvqpdyQZe56
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講演者(敬称略)及び題目・要旨:
発表1:「日本語の存在型アスペクト形式の構文」
発表者:益岡隆志(神戸市外国語大学名誉教授)
概要:
日本語の存在型アスペクトの表現を対象に文法の体系性のあり様を探る。以下の(a)~(e)が本発表の要点である。
(a)文における存在型アスペクト形式の振る舞いを見るためには、「構文」として捉える必要がある。
(b)存在動詞イル・アルの能動性と所動性は連続的な関係にある。
(c)存在型アスペクト構文には動詞のテ形が深く関与する。
(d)存在型アスペクト構文を構成するテイル構文とテアル構文のあいだには密接な関係性が認められる。
(e)アスペクトは文法関係(主語・目的語)を基盤とする文法現象であり、テンスだけでなくヴォイスにも関係する。
発表2:「チノ語の疑問表現ストラテジーとその東アジア諸語の類型的位置付け」
発表者:林範彦(神戸市外国語大学)
概要:
林 (2007)などではチノ語(シナ・チベット語族; 中国雲南省)の疑問文末に現れる助詞の使い分けが真偽疑問文・疑問語疑問文の区別に加え、述語が名詞述語文・動詞述語文であることと焦点範囲に関係することを述べている。しかし、疑問文の種類を拡張し、さらに検討を加えると、Lambrecht (1994)で示される文焦点・項焦点・述語焦点との関係性を見出すことができることがわかる。他方、東アジア諸語では文末助詞を疑問文に用いることが一般的であるが、それに加え、動詞語根の重複やA-not-A型構文など本地域特有の疑問表現ストラテジーがよく見られる。本報告では林 (2022)の内容をさらに拡張し、チノ語の疑問表現ストラテジーを東アジア諸語の類型論の中に位置付けると同時に、東アジア諸語の疑問表現類型の再定位を試みる。
発表3:「談話の世界における照応の諸相−再帰代名詞と連想照応をめぐる事例研究−」
発表者:劉驫(大阪大学)、孫盈盈(大阪大学大学院生)、宋雨潤(九州大学大学院生)
概要:
Fauconnier (1994)のメンタル・スペース理論を発展させた東郷 (1999,2000)の談話モデルは、名詞句や代名詞の指示・照応を扱う心的モデルであり、日本語、英語、フランス語、韓国語、中国語など複数の言語でその有効性が確認されてきた。本発表では、談話モデルを用いて、再帰代名詞の総称用法および連想照応の仕組みの解明を試みた。具体的には、孫氏は日本語の「自分」との比較を通じて、中国語の“自己”の総称用法に見られる制約を明らかにした。宋氏は中国語における連想照応を考察し、そのメカニズムが静的なものではなく、「抽象」から「具体」へと移行する動的なプロセスであることを示した。また、連想照応を理解するためには、文脈情報との緊密な結びつきが不可欠であり、状況によって強く制約されることも明らかとなった。
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事務連絡及びお問い合わせ:
中日理論言語学研究会事務局
〒610-0394 京都府京田辺市多々羅都谷1-3
同志社大学文化情報学部 星研究室(夢告館711)
TEL・FAX:0774-65-7701
URL:http://www1.doshisha.ac.jp/~cjtl210/index.html
email:hhoshi@mail.doshisha.ac.jp(星)
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