第34回中日理論言語学研究会

日 時:2013年7月14日(日)
場 所:同志社大学今出川キャンパス寧静館


ご報告:

 先にご案内させていただいた第34回中日理論言語学研究会は、7月14日(日)に「中日理論言語学 国際フォーラム2013」と題し、同志社大学今出川キャンパス寧静館におきまして、シンポジウムと研究発表会を開催致しました。50名以上の方々にご参加いただき、成功裏に終わりましたことをご報告申し上げます。

いつものように、中国語・日本語が飛び交う、大いに盛り上がったフォーラムとなりました。午前の部「地理方言学研究の展望」と題したシンポジウムでは、喬全生氏、馮良珍氏、大西拓一郎氏、岩田礼氏がそれぞれ興味深い研究発表をおこないました。全体質疑の時間には、コメンテーターからも会場からもコメントや質問が続出し、活発な意見交換がおこなわれました。午後の部は「方言文法の行方」と「資源としての方言」と題し、5件の研究発表がおこなわれました。佐々木冠氏・當山奈那氏(共同発表)、井上優氏、遠藤雅裕氏、定延利之氏・河崎みゆき氏(共同発表)、沈力氏がそれぞれの研究成果を発表されました。

本フォーラムでは、中国語あるいは日本語を主な対象とする研究者、中日両言語の比較・対照をおこなう研究者、言語現象の記述・発掘を中心とする研究者などが一同に会し、中国語・日本語に対する様々なアプローチの妥当性を議論することができました。中日両言語に関心・興味を持つ研究者にとっては有意義な学術交流の場になったのではないかと思っております。今後も中日理論言語学研究のさらなる発展・進化を目指すため、このような交流をより充実させていく所存です。

この国際フォーラムは日本学術振興会科学研究費(挑戦的萌芽研究)「「GISを用いた混合方言の形成要因の解明―山西省中部の方言接触地域を中心にー」(代表:沈力)の共催により開催することができました。この場をお借りし、ご協力を賜った全ての関係者の方々に対し、厚く御礼を申し上げます。

そして、お忙しい中、暑い中、そして豪雨と雷の中、ご出席いただいた皆様、発表者の方々にも心より御礼申し上げます。なお、次回の第35回中日理論言語学研究会ですが、10月に開催を予定しております。詳細は追ってご連絡させていただきます。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

それでは、今後とも、ご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。





発表者:(発表概要(PDF)を公開いたします)




午前の部:「地理方言学研究の展望」(司会:沈力)


喬全生(山西大学):
「晋方言研究的歴史、現状与未来」(PDF)

馮良珍(山西大学):
「山西房舍類方言民俗的南北差異−以平遥方言民俗為中心」(PDF)

大西拓一郎(国立国語研究所):
「言語地理学とは何か」 (PDF)

岩田礼(金沢大学):
「音韻体系はいかに伝播するか?−河川沿いの言語伝播について」 (PDF)


全体討論・質疑応答(コメンテーター:沈力)


午後の部T:「方言文法の行方」(司会:星英仁)


佐々木冠(札幌学院大学)・當山奈那(琉球大学大学院):
「他動性交替の地域差」(PDF)

井上優(麗澤大学):
「文末詞の対照研究」(PDF)

遠藤雅裕(中央大学):
「南方漢語のアスペクト体系と「有」−台湾海陸客家語を中心に−」 (PDF)



午後の部U:「資源としての方言」(司会:李長波)


定延利之(神戸大学)・河崎みゆき(上海交通大学):
「方言研究と人物像(キャラクタ・角色)研究」(PDF)

沈力(同志社大学):
「南北方言データから読み取る「着」の文法化の過程−持続と完了を中心に−」 (PDF)



懇親会(アマーク・ド・パラディ寒梅館)



※著作権は発表者にあり、引用される場合「中日理論言語学研究会第34回研究会発表論文集」を明記すること