A-2 エルミート演算子

A-2.1 固有値・固有関数

演算子Â の固有値方程式        Âyn = Anyn,        yn : 固有関数,        An : 固有値

A-2.2 エルミート共役な演算子

任意の複素関数 PY について<Y|P>* = <P|Y>
次の条件を満たす時, 2 つの演算子^C ^C+ はエルミート共役であるという

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A-2.3 エルミート演算子

特に,自分自身とエルミート共役である演算子をエルミート演算子という

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物理量を表す演算子は必ずエルミート演算子である
これは,物理量が必ず実数であることと対応している
エルミート演算子の固有値は必ず実数である
P = Y = y がエルミート演算子C^ の固有関数, C を対応する固有値とする
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C の複素共役   C* = <y|^C|f>* = <y|^C|f>
組みあわせると C = C* だから C は実数

A-2.4 直交性

エルミート演算子の異なる固有値に属する固有関数は直交する。

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とすると
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ところで^C はエルミート演算子だから<ym| ^C|yn> = <yn| ^C|ym>すなわち Cn<ym|yn> = Cm<yn|ym>
ただし異なる固有値に属する固有関数を考えているので Cn/=0,   Cm/=0,   Cn/=Cm    だから   <ym|yn> = <yn|ym> = 0

A-2.5 完全性

任意の複素関数について
係数 cn を求めるには,左から ym* を掛けて全空間で積分する

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