A-11 Hermite 多項式

A-11.1 Hermite 方程式の解法

次のような微分方程式を Hermite の微分方程式という。

A11-1

これを解くために, H(x) が次のような形に書けると仮定する。

 A11-2

H(x) の微分を級数で書いてみる

 A11-3
 A11-4
これを実際に方程式に代入する
2a2 +6a3x +12a4x2 +... +(m - 2)(m - 1)am+2xm +...  
  -2a1x -4a2x2 +... -2mamxm -...  
+(c - 1)a0 +(c - 1)a1x +(c - 1)a2x2 +... +(c - 1)amxm -... = 0

全ての m にたいして xm の係数がゼロでなければならないから, am は次の漸化式を満たす。

 A11-5
a0 と a1 が決まれば全ての係数がわかる。
さてここで, H(x) は無限級数ではなく m < n であるような n 次の多項式であるとする。理由は後で述べる。
そのためには c が次のような値をとらなければならない
A11-6
n が偶数の時 a0 = 1, a1 = 0 と置けば m が奇数の時又は m > n + 2 の偶数の時 am = 0
n が奇数の時 a0 = 0, a1 = 2 と置けば m が偶数の時又は m > n + 2 の奇数の時 am = 0
このような多項式を Hermite 多項式という

A-11.2 級数の発散と Hermite 多項式

指数関数の Taylor 展開を利用すると次の式が得られる。

A11-7
Hermite 多項式を次の形にかく。
A11-8
n が無限大の極限で次の等式が成り立つことを示せ。

 A11-9
これは,この二つの関数が同程度に発散する事を意味している。
ただし一般には は発散する
無限級数ではなく途中で切れるようにすると e-x2/2 をかければ|x|--> oo で必ず波動関数がゼロになる

A-11.3 Hermite 多項式の性質

Hermite 多項式は次の式から計算することもできる。

A11-10

Hermite 多項式には次のような性質がある。

A11-11
A11-12
A11-13