A-8 座標変換

A-8.1 直交曲線座標

(x,y,z)  -->  (q1,q2,q3) の座標変換を考える。 x, y, z 方向の単位ベクトルを i, j, k とする。例えば x は q1, q2, q3 の関数として表すことが出来るから
{ x = x(q1,q2,q3)  y = y(q,q ,q)  1 2  3
  z = z(q1,q2,q3) あるいは   {  q1 = q1(x,y,z) q = q (x,y,z) 2   2 q3 = q3(x,y,z)
方向を表す単位ベクトル ai   (i = 1,2,3) は, qi = const. の面に垂直で qi の増加する方向にとる。
dx は次のようになる。(dy, dz も同様に書ける)

 A8-1
さて,微小距離 ds の 2 乗は
 A8-2
 A8-3
ただし,相互に垂直な曲面群で構成される座標系に話を限ると i≠j のとき hij = 0 である。これ以降 hii = hi と書く ことにする。
A8-4
よって体積要素 dt
A8-5
J は Jacobian と呼ばれ,次のような行列式である
A8-6

A-8.2 微分ベクトル演算子

スカラー関数 y(x,y,z) がある時その勾配は次のベクトル関数 grady である。

A8-7
ベクトル関数 V(x,y,z) の発散は次のスカラー関数 divV である。
A8-8
ここで V = grady とすれば Laplacian の表式を得る。
A8-9
ついでながらベクトル関数 V(x,y,z) の回転は次のベクトル関数 rotV である。
 A8-10

演習問題

  1. デカルト座標で考える。
    1. ベクトル微分演算子 \~/ はどのようにかけるか。
    2. Laplacian  \~/ 2 はどのようにかけるか。
  2. デカルト座標 (x,y,z) を別の直交座標系 (q1,q2,q3) に変換する。
    方向を表す単位ベクトル ai   (i = 1,2,3) は, qi = const. の面に垂直で qi の増加する方向にとる。
    1. dx, dy, dz を dqi で表せ。
    2. ds2 = dx2 + dy2 + dz2 を dqi と hi で表せ。ただし
      A8-11
      であり,直交座標系では i≠j のとき hij = 0 であるので hii = hi と書く。
    3. dxdydz を dqi と hi で表せ。
    4. ベクトル微分演算子 \~/ はどのようにかけるか。
    5. Laplacian  \~/ 2 はどのようにかけるか。