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IPEの種 6/20/2005

衛星放送で,BBC制作の「世界ジャングル紀行・アマゾン」を観ました.次々と画面に登場する昆虫たちの色彩は ☆ёЮ♂√Ψ⇔‡・・・・ その容姿は ★≒Щ$▼¶◎〜§――― 私は感激し,ただただ感嘆の声をあげていました.余りにも多様で,驚異的な生命に満たされているためか,アマゾンの生物たちが地球の分配関係を非難する声を上げてはいないようです.今は,まだ.

なぜ彼らはあれほどの容姿を作り上げたのか? まったく想像もつきません.ジャングルという世界があったから,彼らのような生態もありえたのだろうか,と思うだけです.巨大な樹木が聳え立ち,さまざまな植物とさまざまな菌類が覆う空間の隙間に,水中,地上,空中へと,昆虫や魚がそれぞれに命を保つ環境を得ています.

森を削って濁流となったアマゾンの上を,群れをなして飛ぶコンゴウインコ,美しい砂浜に潜む猛毒のエイ,獰猛なワニ(クロカイマン),ヨコクビガメの産卵とその卵を狙う鳥たち,かつて毛皮のために乱獲されたカワウソ,4メートル,200kgにも達する大魚ピラルクー,800ボルトを放電するデンキウナギ,巨大なアナコンダ,一滴の血にも沸騰したように殺到するピラニアの大群,水中で互いに語り合う幻のカワイルカ,・・・ 雨季になれば,水没したジャングルで獲物を追って泳ぐジャガー,アルマジロも,ミツユビナマケモノも,さらにはアリの集団やクモまでが,広大なジャングルを魚たちと共有し,樹上や水面を移動します.植物でさえアマゾンが遠く種子を運び,あるいは,その果実を魚や鳥,獣たちが食べることで,新しい陸地を求めて移動するのです.

まるで経済の諸相を総括する恐慌のように,と思ってしまいますが,大雨とアマゾンの洪水こそがジャングルの王様です.森を削って大木や土地を流し去り,あらゆる生命の循環やその興亡の舞台を支配しています.アマゾンは蛇行を繰り返し,三日月湖や沼地となって,再びヤシの木が生え,新しいジャングルを生み出します.全長6500キロ,川幅は10キロにも及ぶ水の絶対的支配が,アマゾンに人間が現れたことでバランスを失い始めています.

アマゾンの土地を貧しい者に分配する政策は,労働者党の政府にとって重要なものです.しかし,世界最大の熱帯雨林を削り取られるのは,そこに住む生命を二度と再生できない形で苦しめるでしょう.貧しい民に雇用を増やすという理由で,ジャングルをなぎ倒して道路を敷き,大豆畑に変えるのです.そして輸出用の大豆畑が増えるに連れて,アマゾンは洪水を起こすこともできない,堤防に囲われた真っ直ぐの川やため池に変わるのでしょう.

Eの詩.エコロジーのE.かつて,エコロジーは未来社会のユートピアでした.・・・化石燃料に依存し,市場の効率性を誤解し,大量生産や巨大都市における市民生活の荒廃を「繁栄」と呼んだ.市場価格に還元できないものは,たとえどれほど美しく,二度と取り戻せない貴重なものであっても,容易に破壊しつくした.そんな生活を嫌う人たちは,風や海流,有機農法や太陽の恵みによって,思い思いの自給的な村で生活できると議論しました.

もう一つのE.自分たちもヨーロッパのようになりたい? ・・・戦争も,貿易摩擦も,通貨危機も無い国を,話し合いによって作る.文化的に多様で,人々は自分のアイデンティティーを誇りにできる.人間的な価値,社会的価値が尊重されて,人権とともに環境の権利が,人間たちの社会契約を介して秩序に組み込まれる.売買の自由だけでなく,もっと自由な精神,そしてもっと道徳的な生活を望みました.

世界秩序を変えるはずであった,二つのEの死・・・? 宇宙人が飛来して,アマゾンのカワイルカ(あるいは,メコンやミシシッピの大なまず)と軍事同盟を形成することは,さすがのアメリカ政府も心配していないのです.

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