IPEの果樹園2020
今週のReview
3/2-7
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簡易版
[長いReview]
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主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy,
The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, VOX:
VoxEU.org, Yale Globalそして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● エリザベス・ウォレン、サンダース、バイデン
Vox Jan 15, 2020
The case
for Elizabeth Warren
By Ezra
Klein
ウォレンは、他の候補者たちと違って、政治の限界を否定した。なぜ大統領の行動を取り巻く問題ばかり指摘するのか。もっと闘うべきだ。
しかし、次の民主党から出る大統領は、上院の共和党だけでなく、富裕層と結びついた政治システムに制約されるだろう。しかし、ウォレンには改革のプランがあった。
ウォレンが大統領にふさわしいと考えるべき3つの理由は、1.他の候補より問題をよく理解している。2.規制当局の機能と使い方を理解している。3.野心的なガバナンスを実現する明確な計画を持っている。
ウォレンは金融消費者保護庁の創設において重要な役割を果たした。
2004年の著書で、アメリカ中産階級の苦境を描いたのは彼女である。それは、「アメリカが主要産業の規制緩和を20年以上も続けた結果である。」「実験は失敗だったと認めるときが来た。」
「アメリカの偉大な中産階級は生きるために闘っている。そして、敗北しつつある。」
ウォレンは破産法の専門家であり、権力と汚職について、他の候補者とは違う深い見識がある。
ウォレンの演説は、ワシントンにおけるインフォーマルな権力を行使する最強の人々が何に依拠しているかを明確に示した。それは「複雑さ」である。銀行業は「複雑さを生み出すマシーン」である。
バロック的な水準に高められた金融契約は規制や弁護士が求めるものだ。その結果、消費者は「借り入れ」が何か、何を選択するのか、明確なイメージを持てなくなる。
2007年に、ウォレンは雑誌Democracyに書いた。「5台に1台は火を噴いて、あなたの家を焼失させるようなトースターを売ることは、不可能である。しかし、すでに建っている住宅に、5家族に1家族は通りに追い出されるようなモーゲージの仕組みで、融資することは可能であり、しかも、そのことを知らせていない。」
ウォレンは、「自分は骨の髄からキャピタリストだ」と言った。その意味は、「正しく規制された市場の力を信じる」ということであり、もし大統領になったら、市場を正しく規制する、という意味だ。もっと競争し、もっと情報を消費者に与え、もっと消費者を保護することをウォレンは考えた。もっと市場の利益を広く分かち合うべきだ、と。
私はウォレンに、大統領になって最初に何をするか、と尋ねた。医療保険制度改革? 温暖化防止? 富裕税? そのどれでもなかった。
「最初に始めるべきことは、汚職追放だ」と彼女は答えた。富裕層と権力者たちは、ワシントンに永住できると信じている。永久に、立ち去ろうとしない。ウォレンの選挙運動は、汚職追放についての包括プログラムであった。ロビー活動を禁止する。
サンダースの国民皆保険制度を支持したことから、ウォレンは支持を失った。彼女の失敗だ、と。そんな解説が広く信じられているが、それは間違いだ。
ウォレンは、サンダースの提案の問題点を理解していた。財源をどうするのか? 中産階級に増税するのか? 議会を通過するか? だから彼女は、中産階級の増税なしにできるプランから始める。そして支持を高めてから、強制加入型にして、そして保険の範囲を拡大する。
ウォレンは、このメディケア改革案を慎重に議論した。それはサンダースの案よりも政治的な実現可能性を高めたものだ。穏健派が支持する形の、野心的で、説得力のある提案だった。
NYT Feb. 21, 2020
The
Democrats Are in Trouble
By Bret
Stephens
NYT Feb. 21, 2020
Elizabeth
Warren’s Big Strengths
By David
Leonhardt
FT February 22, 2020
Michael
Bloomberg: serious contender or vanity candidate?
Courtney
Weaver in Washington
FT February 23, 2020
How
Bloomberg is enabling Sanders to keep winning
Edward
Luce
NYT Feb. 23, 2020
Bernie
Sanders Isn’t the Left’s Trump
By Paul
Krugman
バーニー・サンダースは左派のトランプではない。たとえ彼の考えに同意しない場合でも、彼は独裁者を目指すように人間ではない。
PS Feb 24, 2020
Why
Bernie?
ALEXANDER
FRIEDMAN
NYT Feb. 24, 2020
Putin
Would Hate President Bernie Sanders
By
Michelle Goldberg
PS Feb 25, 2020
Wall
Street Can’t Burn Bernie
JEFFREY
D. SACHS
ウォール街の支持を得て、クリントンは大統領になった。そのときから両党は、選挙戦のためにウォール街を頼った。オバマもクリントンに倣い、2008年に大統領になると、その経済チームをウォール街から選んだ。
トランプとウォール街からの非難の洪水を過小評価することはだれにもできない。
しかし、有権者が聴いていることは違う。サンダースが主張していることは、ベネズエラの社会主義ではない。医療保険、教育、まともな賃金、病欠の手当、再生可能エネルギー、超富裕層のための戻し税や控除の廃止。だから民主党候補争いで勝利するし、11月にも勝利するのだ。
NYT Feb. 25, 2020
Dems,
You Can Defeat Trump in a Landslide
By Thomas
L. Friedman
PS Feb 27, 2020
Understanding
Sanders
KAUSHIK
BASU
NYT Feb. 27, 2020
The Case
for Elizabeth Warren
By
Michelle Goldberg
NYT Feb. 27, 2020
The Case
for Mike Bloomberg
By David
Brooks
NYT Feb. 27, 2020
The Case
for Bernie Sanders
By
Jamelle Bouie
NYT Feb. 27, 2020
The Case
for Pete Buttigieg
By Frank
Bruni
NYT Feb. 27, 2020
The Case
for Joe Biden
By Ross
Douthat
FT February 28, 2020
Bernie
and the billionaires
Holly
Peterson
● トランプのインド訪問
NYT Feb. 21, 2020
Donald
Trump Is Going to India to Find Himself
By
Pankaj Mishra
「私はヒンドゥーが好きだ。」 2016年に、ドナルド・トランプは大統領選挙中に主張した。それはインドの多数派宗教であるが、アメリカでもっとも裕福な、トランプを支持する少数派がますますヒンドゥーを愛しつつある。
来週、訪問するインドで、トランプを1000万の群衆が歓迎する、とヒンドゥー至上主義者のモディ首相は約束した。その都市の人口が800万人ほどだというのは、言わなかったが。
昨年の9月に、手を取り合って話し合う2人の強権指導者は、まるで兄弟のようだった。世界のどこよりも、インドの支配者たちの間に、トランプは深い友情を感じたのだ。インドはアメリカ大統領にとって夢のような国だ。かつては法と市民意識を重視した官僚たちを、完全に屈服させた。
ミルケンやストーンに恩赦を与えたトランプだが、インドの内務大臣で、モディの最側近であるAmit Shahは、殺人と誘拐の罪に問われた人物だ。彼の裁判官達は、謎の死を遂げ、あるいは、服従を誓った。
今のインドは、政府に屈服する政治・文化エリートの国であり、トランプが心から望む姿を、間違いなく実現している。かつてマハトマ・ガンディーと結びついていた偉大な民主主義が、トランプ・ランドに成り下がった。残酷、無能、不正直なシステムだ。
ヒンドゥー至上主義者たちは、すでに1990年代に、憎悪の政治を解放し、すばらしい成果を上げていた。平和的な運動であると主張していたが、彼らは16世紀にできたイスラム教のモスクを敵視し、その後、何十年もインド政治における周辺的な政治家たちであった彼らが、反ムスリムの暴力に乗って、90年代末までにデリーの権力者にまで上昇した。
ボリウッドBollywoodもそうだ。長い間、インドの映画界は倫理的にまじめな主張で有名だった。しかし、1990年代後半から、ボリウッドでもっとも成功した作品は、けばけばしい、トランプ風の消費主義、異常に興奮したヒンドゥー至上主義を取り入れた。
トランプのインド訪問は、世界最大の民主主義国家に関する無意味な賛辞を垂れ流すだろう。しかし、現在のインドとアメリカが共有する価値とは、トランプとモディの価値である。迷いのない嘘と、好戦的な恫喝だ。
1000万のヒンドゥー至上主義者に歓迎される光景を想像するとき、トランプは、自分が本当にヒンドゥーを愛している、と思う。
FT February 24, 2020
India’s
Founding Moment, by Madhav Khosla
Review
by Kiran Stacey
FT February 26, 2020
India is
facing twin economic and political crises
Martin
Wolf
FT February 27, 2020
Narendra
Modi woos world leaders in a city haunted by violence
Amy
Kazmin
PS Feb 27, 2020
A Tale
of Two Demagogues
DOMINIQUE
MOISI
● ニューディール
VOX 22 February 2020
New
Deal, new patriots: How Roosevelt’s welfare programmes made America great again
Bruno Caprettini,
Hans-Joachim Voth
● シリア難民
NYT Feb. 22, 2020
Syria’s Drawn-Out
Agony
By The
Editorial Board
FT February 25, 2020
Overcrowding
in Moria refugee camp has reached breaking point
Henry de
Berker
FP FEBRUARY 27, 2020
The U.N.
Won’t Save Idlib. The EU and NATO Can.
BY SINAN
ULGEN
大規模な人道的危機にもかかわらず、国際的な支援や介入は行われない。国連がその役割を果たせないなら、EUやNATOが行動するべきだ。
● ジョンソンのブレグジット
The Guardian, Sun 23 Feb 2020
Johnson’s
Brexit flunkey sums up all that’s wrong with his master’s trade fantasies
Will
Hutton
The Guardian, Sun 23 Feb 2020
The
Tories ignored expert flood advice in favour of austerity. Behold the results
Simon
Wren-Lewis
The Guardian, Tue 25 Feb 2020
On
behalf of all ‘future historians’, leave us out of your Brexit rants
Charlotte
Lydia Riley
● コロナウイルス感染拡大
FT February 23, 2020
Coronavirus
is speeding up the decoupling of global economies
Rana
Foroohar
PS Feb 24, 2020
Will the
Coronavirus Trigger a Global Recession?
JEFFREY
FRANKEL
コロナウイルスの感染が広がっている。SASRに似たウイルスで、当時、経済への影響は小さかった。しかし、中国への影響は政策によって抑えられるとして、世界経済への衝撃はSARSよりも深刻だ。それは中国の経済規模が世界経済に占めるシェアを高め、他国が中国の経済に影響される程度を高めているからだ。
日本は不況になりそうだ。ヨーロッパもアメリカ以上に影響を受ける。中国の需要に刺激されてきた新興市場の輸出国、サプライ・チェーンへの影響も深刻だ。UKは、いよいよ懸念されてきたような、Brexitのマイナスの影響を体験するだろう。
世界経済が減速する見込みは急激に高まっている。アメリカの投資家はまだ影響を無視している。連銀の金融緩和に期待しているからだが、すぐに、それは間違いだと気づくはずだ。
たとえコロナウイルスが世界的なパンデミックにならないとしても、感染していない者も、旅行や買い物を減らすだろう。そして、トランプの貿易戦争も、形だけの休戦をしているが、それと関係なく、ウイルスによるグローバリゼーションの逆転としてデカップリングが進行する。
PS Feb 24, 2020
When
China Sneezes
STEPHEN
S. ROACH
FP FEBRUARY 24, 2020
The
Coronavirus ‘People’s War’ That Many People Don’t Believe in
BY
MELINDA LIU
FP FEBRUARY 24, 2020
How Do
You Keep China’s Economy Running With 750 Million in Quarantine?
BY
MELINDA LIU
FP FEBRUARY 25, 2020
World
Stock Markets Begin Betting on a Coronavirus Slowdown
BY KEITH
JOHNSON
The Guardian, Wed 26 Feb 2020
Xi
Jinping has buried the truth about coronavirus
Ma Jian
FT February 26, 2020
Markets
are too complacent about coronavirus despite sell-off
Nouriel
Roubini
今週の大規模な売りにもかかわらず、最悪の状態はまだ先である。
市場の楽観は多くの間違った前提によるものだ。1。ウイルスは中国だけに封じ込められる。2。感染のピークは第1四半期で過ぎる。3。成長はV字型に回復する。4。財政・金融政策で成長が維持される。
全て間違っている。
PS Feb 26, 2020
China’s
COVID-19 Moment
ANDREW
SHENG, XIAO GENG
COVID-19と命名されたウイルスが武漢で発生した。しかし、初期の数週間は真剣な対策が取られなかった。
1月20日、このウイルスの危険性を訴えていた1人の英雄的な医師が亡くなって、初めて政府は行動した。武漢と湖北省の近隣都市は今や完全に封鎖された。中国政府は、人民解放軍も含めて、200もの医療チームを全国から武漢に派遣した。
しかし、武漢は人口密集地域であり、交通の要衝である。中国最大の空港が、毎日、平均3万人を送り出す。COVID-19は急速に世界に広がるだろう。それは各地の公衆衛生の能力を試す。
韓国、ヨーロッパ、日本、各地の経済に大きなマイナスの影響が及ぶ。グローバル・サプライ・チェーンが混乱し、サービスが停止するだろう。アメリカの株価は、i-Phoneの供給減少と中国におけるAppleストアの閉鎖で、4半期の利益が減少するというAppleの発表を受けて、初めて急落した。
中国の需要が減少している。旅行や奢侈財は特に影響を受ける。
かつてない規模で、中国人の半分が1か月間も外出できないだろう。命や家族、社会を守るためだ。その間、彼らはエネルギーや飲料水を政府の供給に、また商品の配達業に頼るしかない。
初期に情報を隠した政府は、激しい批判をソーシャルメディアで受けている。その後、よりオープンな議論とフィードバックを受け入れている。
COVID-19は、経済的繁栄が社会的な福祉を高めるという確信を揺さぶっている。一人っ子の家族は、たった一人が死ぬことで世代の継承が終わってしまう。それは中国の歴史上になかった危機だ。その結果、中国人は旅行や消費のブームから、健康や家族に関心を移すだろう。
幾分、排外主義的な、グローバル・メディアの取り上げ方も、中国人の自己反省を強める。特に、国内の公衆衛生、社会保障、ガバナンスが問われる。COVID-19が、すでに、キャッシュ・フロー、中小企業、雇用、サプライ・チェーンを扱う革新が起きている。
ウイルスが抑え込まれても、地政学上の対立、気候変動、新しいパンデミックなど、中国政府は長期的な活力を回復しなければならない。教育、医療、社会保障、国際的な情報のフィード・バック。
グローバルな、相互に緊密に統合した世界で、それは世界的な規模でも必要な条件だ。
FT February 27, 2020
Coronavirus:
WHO must learn from the IMF to stop pandemics
Prabhat
Jha
FT February 27, 2020
How coronavirus
could upend the US election
Edward
Luce
トランプはその人気をウイルスに破壊されるかもしれない。
PS Feb 27, 2020
Coronavirus
and the Global Economy
SIMON
JOHNSON
FT February 28, 2020
Central
banks have a part to play in the fight against climate change
Sabine
Mauderer
● 右派テロリズム
FT February 23, 2020
Rightwing
terrorism is a threat for democracies
● 知的財産の支配
FT February 23, 2020
US:
don’t give China control of intellectual property group
Peter
Navarro
● ロボットのように
FT February 24, 2020
Treat
workers like robots and they might behave like them
Margaret
Heffernan
● 気候変動抑制の世界機関
FT February 24, 2020
We need
a world institution for climate and energy
Nick
Butler
● アベノミクス
PS Feb 24, 2020
Beyond Abenomics
AKIRA KAWAMOTO
安倍の自民党総裁任期は終わる。アベノミクスを評価するときだ。
安倍が指名した黒田日銀総裁は、白川総裁のデフレ政策を逆転した。しかし、財務省の圧力に負けて実施した消費税引き上げは失敗だった。コロナウイルスの影響も加わって、経済は悪化するだろう。
供給側の政策と、官僚制の活用が求められる。
FT February 27, 2020
SoftBank’s
Masayoshi Son has become too big to fail
Henny
Sender
● CFAフラン圏
PS Feb 24, 2020
Africa
Isn’t Ready for Currency Unions
CÉLESTIN
MONGA
西アフリカ14か国の指導者たちは、CFAフラン圏が通貨同盟の条件を満たしていないことを知るべきだ。
第1に、相互の貿易が少ない。第2に、経済構造が異なっており、対外的なショックへの藩王が対立につながる。
● リブラ
FT February 25, 2020
Libya:
how regional rivalries fuel the civil war
Andrew
England in Tripoli
● EU予算
PS Feb 25, 2020
A
Radical Way Out of the EU Budget Maze
JEAN
PISANI-FERRY
PS Feb 27, 2020
The
West’s Final Countdown?
JOSCHKA
FISCHER
● 分断とポピュリズム
PS Feb 25, 2020
The
Divine Right of Populists
NICHOLAS
REED LANGEN
FT February 27, 2020
How far
will US polarisation go?
Simon
Kuper
● アルゼンチン債務再編
PS Feb 26, 2020
The Challenges
of Argentina’s Debt Renegotiation
JOSÉ
ANTONIO OCAMPO
● 民主主義の改革
PS Feb 26, 2020
To Protect
Democracy, Reform It
ANDRÉS
VELASCO
NYT Feb. 26, 2020
The
Primaries Are Just Dumb
By The
Editorial Board
● 東アフリカ
FP FEBRUARY 26, 2020
Top U.S.
Aid Chief Warns of Locust Devastation in East Africa
BY
ROBBIE GRAMER
● 核の平和
FT February 27, 2020
Donald
Trump’s America is threatening the nuclear peace
Philip
Stephens
● 経済的自由
PS Feb 27, 2020
The
New-Old Threat to Economic Freedom
JOHN B.
TAYLOR
良い経済学は良い政策と良い結果をもたらす。
しかし、経済的自由を実現するのはむつかしい。多くの反対論があるからだ。それらの主張は、経済的自由の前提である、法の支配、予測可能な政策、市場に頼ること、誘因を重視すること、政府に制限を加えることに反対する。そしてそれに代わるのは、恣意的な政府の行動、予測可能な政策の放棄、行政の裁量、誘因は重要でない、政府を制限すべきではない、となる。
こうした反対派は1950年代、60年代に広く支持されていた。しかし今、同じような主張が聞こえている。職業の資格制度、賃金・物価の規制、国内外の貿易・金融に対する政府介入、など。
● Googleは中国に負ける
NYT Feb. 27, 2020
Eric Schmidt:
I Used to Run Google. Silicon Valley Could Lose to China.
By Eric
Schmidt
● トランプの中東和平
FP FEBRUARY 27, 2020
Trump’s
Plan for Palestine Looks a Lot Like Apartheid
BY ALON
LIEL
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The Economist February 15th 2020
(おそらく、電車かバスの中で紛失しました。コメントが書けません。アイルランドでシン・フェインが勝利したことに関して読み書けた記憶はあるのですが。・・・とても残念です。)
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IPEの想像力 3/2-9/20
NHKの衛星放送で、News Hourを観ました。民主党の大統領候補指名争いです。今夜、スーパー・チューズデーが迫っています。
ニュースは、ブティジェッジが撤退し、クロブシャーも撤退する。中道派としてバイデンを支持するというのです。
私は、バイデンがトランプに勝てるとは思いません。サンダースもトランプに勝てないでしょう。なぜなら、トランプは政治ショーの監督と主演を兼ねているからです。バイデンやサンダースを攻撃し、侮辱し、翻弄することなど容易ではないか、と思います。
では誰が良いのか? ブルームバーグかウォレンなら、勝てるかもしれません。確かにトランプに勝てると思いますが、ブルームバーグが富裕層に住みやすいアメリカを変えることはないでしょう。やはりウォレンだ、と思いました。
トランプは、もちろん、ウォレンを攻撃し続けるはずです。しかし、アメリカ国民は2人を選択するとなれば、その攻撃と、トランプではなく国民に向けて訴えるウォレンの姿を、次第に、支持するだろう、と思いました。
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スーパー・チューズデーでは、バイデンが復活し、1位になるかもしれないと言われたサンダースを抑えました。ウォレンはわずかな支持しか得られず、残念ながら、闘いを続けても指名されないと認め、退場しました。
バイデンが勝利したのは、サンダースではトランプに勝てない、という民主党員の不安による計算が働いたようです。ブティジェッジやクロブシャーがバイデン支持を表明しました。
しかし、バイデンがトランプに勝てるのか? 私は否定的です。2大政党制の支持基盤を競い合う旧来の選挙であれば、バイデンは僅差で勝利するのかもしれません。トランプを大統領にしたのは、もっと違う力でしょう。
フェイク・ニュースを駆使し、ポピュリズムに便乗し、社会ンオ分断状態を利用したトランプの選挙戦は、バイデンのイメージとは全く違う世界です。
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サンダースが大統領になってアメリカを変えるとき、もっと平等な、社会民主主義的な仕組みを取り入れる可能性があると思います。
ウォレンが大統領になってアメリカを変えるなら、もっとダイナミックな、市民社会の秩序を回復することが可能だと思います。
バイデンが、こうした理想に燃える、改革の指導者になれるでしょうか?
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トランプは、コロナウイルスに負ける。
自然災害は成長を損なわない、と言われます。しかしウイルスは、金融緩和によって支えられた株価の背後にある構造を壊し、バブルの崩壊とグローバル化した経済活動の縮小に向かいます。
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もし1カ月早く株価が暴落し、また、もし爆発的な感染者の増加がアメリカの貧困層で起きたとしたら、民主党の指名争いはサンダースとウォレンに絞られたのではないでしょうか。そして、中道派が女性大統領ウォレンの誕生を支持したと思います。
ウォレンのまじめな姿勢は、トランプの対極にあり、だからこそ、最終的にはアメリカ国民が選択すべきだと確信したはずです。
しかし、トランプは貧困層を、疫病の犠牲者から、もっと違う、政治的なモンスターにするかもしれません。トランプが擁護する白人至上主義者や、キリスト教の原理主義者、ネオナチ、自営を唱えて武装し、異人種や貧困層、感染者を襲撃する集団が、自分の権力を維持する条件であることを理解するでしょう。
選挙に勝てないと思えば、コンゴ民主共和国のように、大統領選挙を延期するでしょう。民主的でも、共和国でもない、世界最大の核保有と、インターネットを駆使した諜報国家、金融システムの死活的な要衝を抑えて被支配層や外国を威嚇し、収奪する、占領軍の臨時政府になるわけです。
これは、最初から、トランプが主張していたことを、実現するだけです。
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