IPEの果樹園2016

今週のReview

10/24-29

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タイ国王の崩御 ・・・モスルとアレッポをめぐる秩序 ・・・Brexitとポンド下落 ・・・トランプ現象 ・・・CETATTIPの運命 ・・・21世紀のリベラリズム ・・・Brexitを実行する ・・・ロシア封じ込め ・・・中国のバブル崩壊 ・・・大国間均衡の時代へ ・・・ヨーロッパ難民危機の解決

 [長いReview]

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主要な出典 Bloomberg, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, The Guardian, NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, そして、The Economist (London)

[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]


l  タイ国王の崩御

NYT OCT. 13, 2016

Bhumibol, a King of the People, Leaves Them to the Generals

By PAUL HANDLEY

195111月、プミポンBhumibol Adulyadej23歳のとき、タイに戻って王位に就こうとしていた。そのとき軍人たちが王室支持者たちの政府を解体し、王室に実質的な権力を与えていた憲法を破棄した。

プミポンは1946年に王となったが、ずっとスイスに住んで、勉強していた。帰国は祝福されるはずであったが、王室の危機に直面した。

この不吉なスタートにもかかわらず、王は偉大な、国民に祝福される人物となった。1013日にプミポンが崩御したとき、その70年に及ぶ治世は、世界で最も人気のある、敬意を集める王室の1つと評価された。

将軍たちとの関係を王室の優位に変えたが、タクシンと軍人との対立ではそれを失い、そして最後は、民主化より軍人に権力を委ねた。

FP OCTOBER 13, 2016

The King Is Dead. Is Thailand’s Monarchy Next?

BY SEBASTIAN STRANGIO

FP OCTOBER 14, 2016

The long career of Thailand’s king offers a study in the virtues of constitutional monarchy — and in the immense challenges of royal rule.

BY TOM GINSBURG

Project Syndicate OCT 15, 2016

Thailand’s New Uncertainty

JOSHUA KURLANTZICK

FT October 19, 2016

Thailand can seize the chance to alter course


l  モスルとアレッポをめぐる秩序

The Guardian, Friday 14 October 2016

The Guardian view on international law: we need enforcement and example

Editorial

戦争は他の手段による政治の継続である、と言われた。しかし、長い年月をかけて、ある種の戦術は野蛮な外交ではなく、戦争犯罪になった。近年、その人道を守るという尊い目標が、中東に広がる戦場では、病院や学校への卑劣な爆撃を免責することによって無意味にされてしまった。こうした爆撃は中止するべきだ。

イエメンでは、葬儀に参加していた人々、140人以上が、サウジアラビアの指導する連合軍の空爆で殺害された。サウジ連合軍は、イランが支援するフーシ派の反政府勢力と内戦を続けている。

ロシアの同盟者たちは、自国の市民に化学兵器を使用している。ロシアとシリアの戦闘機は、アレッポ上空で、意図的に、市民たちに爆撃している。アレッポでは、病院も、国連の輸送部隊も、学校も、もはや安全ではない。

シリアの大統領は、モスクワとテヘランの支援を受けて、「この地域(アレッポ)を掃討し、テロリストたちをトルコに追い出す」と述べた。彼らは来たところに戻るか、もしくは、殺害する、と。

国連安保理では、こうした人道に関する国際法に違反する行為を強く非難する意見が出た。しかし、常任理事国5か国中の4か国が、シリア、イエメン、スーダンで病院を爆撃する同盟者を支援している。

ケリー国務長官は、スイスでロシアのラブロフ外相と会うが、ロシアとの対話は無駄であろう。ロシアはいかなるコストを支払っても、アサド政府軍が勝利することを強く求めている。それは中東の権威主義体制の国々に、弱体化したアメリカが中東から引き揚げた真空を埋めるのはロシアだ、というシグナルを送っている。エジプトは、国連安保理でロシアの決議を支持したが、その中身はアレッポにおける空爆中止を求める決議だった。そしてエジプトは領土内にロシア空軍の拠点を置くことを話し合っている。

軍事力の行使が、国際法や説得より優勢になっている。

こうした行動が国際法の精神を損ない、その条文を破っている。普遍的な世界法廷という考え方より、西側の政府は権力政治(そして軍事力)を好むのだ。

2014年、イスラエル司法相Tzipi Livniを保護するため、人道に関する犯罪について一時的に外交免責が与えられた。国際刑事裁判所は、当時、9か国中の8か国がアフリカの国で占められていたが、正義(とアフリカ諸国)を無視するこの対応に憤慨しただろう。中東に広がる人道に関する犯罪を観て、こうした犯罪を続ける諸国を免責することに、彼らが国際刑事裁判所から離脱すると脅したのも当然だ。

人道に関する罪を問う国際法を築くことは人類の進歩であり、放棄してはならない。戦争犯罪の証拠はなおも集められ、犠牲者たちは記憶されねばならない。The Commission for International Justice and Accountabilityはすでに、アサド体制の行動を告発するための材料を集め始めた。将来、ロシアとシリアの政治が変化すれば、その血まみれの指導者たちは、法廷に立たされるかもしれない。チリのピノチェト将軍に起きたことだ。

西側もまた、国際法の制約に従うことを示す機会に直面している。近く、西側の支援するイラク軍がイスラム国の最後の重要拠点であるモスルを奪還するだろう。勝利のために、受け入れがたいような人道的罪を犯してはならない。国連の予測では、120万人の難民が発生する。難民キャンプを民間の人権保護団体が設定し、安全な避難路を確保するべきだ。すでにイラク軍は攻撃を始めている。たとえ軍事力を合法的に行使する責任がイラク政府にあるとしても、それはロンドンやワシントンが支援する政府だ。

モスルは約束を実行する場であり、現代の戦争に勝利する方法が改善できることを示す機会である。

FP OCTOBER 14, 2016

European Diplomats Poised to Directly Blame Russia for Aleppo Siege

BY JOHN HUDSON

NYT OCT. 17, 2016

Israel Knows That Putin Is the Middle East’s New Sheriff

Shmuel Rosner

2001年、イスラエル首相になった直後に、シャロンはクレムリンへ行ってプーチン大統領と会った。世界の指導者の常として、プーチンはシャロンに、ヨルダン川西岸の支配地域をパレスチナ人に返還するよう求めた。シャロンは、イスラエル指導者の常として、そのような主張に倦んでいた。そこで彼は言った。イスラエルは小さな国である。領土を手放すことは危険なのだ。他方、ロシアはこれほど大きな国である。そうであれば、第2次世界大戦後にロシアが日本から返還を求められたthe Kurile Islands(千島列島)を、返してはどうか? と。

予想されるように、ロシアは拒んだ。「ロシアは領土を断じて譲らない。」 おまえはどうしてそんな大それたことを考えるのか? と。

2年後の会談で、ロシア語がうまくなったシャロンは、「イスラエルの真の友人」とプーチンを呼んだ。プーチンも同様に、その感情を隠す術を学んでいた。たとえば、オバマとシリアの停戦協定に合意したように。さらにロシアは、最近、ネタニヤフ首相とアッバース大統領との会談を、モスクワで開催する、と発表した。

ネタニヤフはロシア語を解さないが、プーチンと同じ言葉で試行していることを理解したようだ。シャロン以上に。必要は友情をもたらす。イスラエルにとって、中東におけるロシアの影響力が増大していること、また、アメリカが撤退していくことが、その理由だ。

少し前まで、イスラエルは、アメリカが中東におけるロシアの影響力を封じ込めることを疑わなかった。ゲームは単純だった。イスラエルは周りの小さな犬を抑え、アメリカは大きな犬がイスラエルに不利な介入をすることを抑える。

しかし、数年前から、プーチンはこのゲームを壊し始めた。2008年にグルジアへ侵攻し、2014年には、クリミアに侵攻した。それでもイスラエルは、アメリカが、ロシアの国境地帯で、プーチンがこうした小国をもてあそぶのを許しただけだ、と考えていた。

その後、2015年の夏、プーチンはシリアに軍隊を送った。オバマがその対応に苦慮している間に、ネタニヤフはプーチンを訪問し、この新しい中東の警察官と会ったのだ。2人は合意できなかったが、ネタニヤフはロシアとの関係を望んだ。プーチンはシリア政府を支援することで強いシグナルを発したし、その戦闘機はイスラエルから遠くない北の空を飛んでいる。

ロシアの大統領にとって、中東の和平会談や、アメリカに不満を持つ諸国を集めるのは、ロシアの威信を高め、アメリカを苦しめるためだ。和平会談の成功を真剣に望むわけではない。

この数か月間、プーチンがしたことを観れば、ロシアに好ましいのは中東情勢の不安定化である。シリア内戦でも、パレスチナでも、彼は外交的な解決策を望むようなふりをする。しかし、その同盟者が和平を破壊しているのだ。そしてロシアの力を強め、オバマ政権への失望を広める。

全ては次のアメリカ大統領にかかっている。

FP OCTOBER 17, 2016

Mosul and Aleppo Are Full of Sound and Fury, Signifying Nothing

BY EMILE SIMPSON

モスルとアレッポ。2つの都市、2つの闘いは、1つの問題に至る。シリアからイラク西部における戦争状態は終結に向かうのか?

FT October 19, 2016

Mosul will be liberated, but Iraq’s future hangs in the balance

David Gardner

SPIEGEL ONLINE 10/18/2016

Rapprochement or Penalties?

Germany Struggles to Find United Stance on Russia

By SPIEGEL Staff

シリア内戦におけるロシアの行動はドイツに制裁を求める声を強める。メルケルはこれに反対できないが、社会民主党は一層の制裁に反対し、次の選挙における連立政権の問題に及ぶ。

Project Syndicate OCT 19, 2016

Syria’s Darkest Hour

JAVIER SOLANA

Project Syndicate OCT 19, 2016

A National Security Blind Spot

ANNE-MARIE SLAUGHTER and ELIZABETH WEINGARTEN

経済成長することで女性の地位が上昇する、と説明する。しかし、その逆かもしれない。女性の地位が、経済成長を説明するのだ。政府の汚職、不安定さ、非効率も、女性の地位で説明できる。

FP OCTOBER 19, 2016

Why Just Counting the Dead in Syria Won’t Bring Them Justice

BY PATRICK BALL

FT October 20, 2016

The price for Russian war crimes in Aleppo

シリアのアサドは、第2次世界大戦後の戦場におけるルールを無視した。国際法に反する市民への攻撃だけでなく、給水施設や食料保管所を爆撃し、住民の飢餓を武器として使った。ロシア軍は、援助物資を運ぶ車列を爆撃した。それは体制を守るだけでなく、政治的な解決策を拒むことになった。

かつてSrebrenicaの虐殺を観ても阻止しなかったオランダの平和維持軍が非難された。同様に、西側諸国は、アサドやプーチンが行う暴挙を阻止しなかった。アレッポが、第2次世界大戦後の、ルールに依拠した国際秩序を葬った、シリア内戦でオバマは弱さを示し、ロシアがその真空を埋めた。

プーチンに融和策は通用しない。経済的、政治的にエンゲイジメントを深めても、短期的な緊張を分散するに過ぎない。


l  Brexitとポンド下落

FT October 14, 2016

When the pound goes south, it affects national power, too

David Willetts

FT October 15, 2016

Sterling’s slump signals a warning, not a boon

FT October 17, 2016

The markets hold more sway than Theresa May

Janan Ganesh

Bloomberg OCT 17, 2016

Markets Send Theresa May a Message on Brexit

Mohamed A. El-Erian

この10日間にイギリスの金融資産市場が示した変動は、もしメイ首相が正しい政策対応を示さなければ、最大の挑戦に対して挫折することになる。それは、インフレが加速し、しかも成長力が失われる、スタグフレーションを招くだろう。

首相は保守党大会で、ハードBrexitを目指し、「国際エリート」やイングランド銀行の政策を批判したのだ。ポンドは1.22ドルまで下落した。ハードBrexitが貿易と投資を通じて経常収支の赤字を拡大することを想えば、それは正しい反応だ。

信頼できる、包括的な対案もないまま、労働党やUKIPを意識して、こうした政治レトリックをもてあそび、長期的な経済・金融の考え方を放棄することは、間違っている。

Bloomberg OCT 17, 2016

Six Reasons to Be Wary of Brexit Optimism

Victoria Bateman

EU離脱を唱えたエコノミストたちは、それが成長を制約するEUの政策から離れ、内外で市場を自由化するから、イギリスは高い成長を実現すると主張した。しかし、自由市場派の主張が疑わしいと考える重大な理由は6つある。

1.イギリス経済はすでに十分に自由である。2.離脱したほうが自由な条件で貿易できるとは限らない。3.グローバリゼーションが減速し、保護主義が高まりつつある。4.交渉の過程は非常に複雑で、時間がかかる。

5.すでに自由化した歴史がある。20世紀の前半、最初の統合化の後、世界がグローバリゼーションの逆転を起こしたときだ。1930年代までに世界貿易は縮小していった。自国の輸出を伸ばそうと、イギリスは帝国特恵関税を設けた。このシステムは、リカードの提唱した貿易と特化を促進することを意図していた。

しかし、それは産業内貿易を無視していた。イギリス企業は、産業構造の似た諸国との競争にさらされなくなった。そうした競争こそ生産性の上昇に重要なものだ。1970年代、EU加盟とサッチャーの市場改革が行われるまで、競争圧力を欠いたまま、その後に、ようやくイギリスの生産性は回復し始めた。

6.国内企業の市場の規律を強制するのは、イギリスの場合、ヨーロッパ企業との競争である。EU市場から離脱すれば、それを失う。

FT October 19, 2016

Britain’s sliding pound reflects a devalued economy

Chris Giles

ポンド価値の下落は、1990年代の喜びを再現するのか、それとも緊縮を強いられるのか? 経済学は断定した答えを出せない。なぜなら、すべての減価は異なっているからだ。

多くの兆候は悲観的だ。グローバルな貿易取引は縮小し、ポンドの減価でも容易に輸出を伸ばせる市場は見つからない。Brexitの不確実性が投資を減退させる。インフレが家計を圧迫する。供給側のショックによる減価は、物価上昇による消費の削減をもたらしやすい。


l  トランプ現象

Project Syndicate OCT 14, 2016

How Trump Happened

JOSEPH E. STIGLITZ

世界を旅していると2つの質問を繰り返し受ける。トランプが大統領になることも考えられるのか? そもそも、どうして彼がこれほど支持されるのか? アメリカ人が、こんなロシアン・ルーレットを楽しむことは理解できない。外国人はその影響を受けるのに、選挙に参加できないのだ。

明らかに、トランプは16人の共和党候補者たちを倒した。その背後には多くの要因があった。まず、多くのアメリカ人の生活は、4半世紀前に比べて、経済的に悪化している。フルタイムの男性労働者について、所得の中央値は42年前より低い。

所得分配の最下層について、実質賃金はおよそ60年前の水準と同じだ。トランプが、経済の現状は腐っている、と言うとき、多くの支持を得るのは当然だ。しかし、彼の診断や処方箋は間違っている。トランプのような、一握りのトップに成長の成果が集中し、しかも、大規模な減税を繰り返したことが原因だ。

政治家たちは、貿易自由化や金融自由化を進めながら、同時に、必要な改革は実現しなかった。生活水準が停滞し、あるいは悪化した人たちは、政治指導者が分かっていないのか、嘘つきなのだ、と結論した。機会の国であり、次の世代が生活水準を高める、というアメリカ人の共有する前提が疑わしくなった。そしてトランプは、問題を貿易や移民のせいにした。

貿易協定が、すべての者の利益ではなく、大企業の利益に奉仕しているのは、共和党の政治家たちがしたことだ。彼らは貿易の利益を広く分かち合うことを拒んだ。さらに金融危機では、銀行家たちが救済され、職や住宅を失っても、多くの普通のアメリカ人は何も助けてもらえなかった。こうした不公平な結果をもたらすシステムは、いかさま(そして談合)だ。

トランプへの支持は、こうした政府への不信感・不満から生じている。しかし、彼の提案する政策は、事態をさらに悪化させる。たとえば、富裕層や大企業に巨額の減税を行えばよい、というトリクル・ダウン理論を再生する。あるいは、中国やメキシコと貿易戦争を始める。そんなことをすれば、多くのアメリカ人がさらに貧しくなり、イスラム国家の掃討、地球温暖化など、国際協調が重要な時期に協調を損ない、技術革新やインフラ改善の財源もなくなる。

過度に単純化された、ネオリベラルな市場原理主義は、40年におよぶ間違った政策を生み出し、成長を大幅な不平等に導いた。市場は真空に存在するのではない。サッチャー=レーガン「革命」が市場のルールを書き換え、富裕層に有利な、不平等な経済にしたのだ。

トランプ現象とは、アメリカ社会が分裂し、民主主義が損なわれ、経済が活力を失ったことを意味している。

NYT OCT. 14, 2016

The Clinton Agenda

Paul Krugman

ヒラリー・クリントンの勝利が、どのような政策を実現するかは、その勝利の程度によって変化するだろう。

NYT OCT. 14, 2016

What’s Behind a Rise in Ethnic Nationalism? Maybe the Economy

By ROBERT J. SHILLER

世界経済の衰退と不平等の増大は、エスニック・ナショナリズムを刺激するように見える。

エスニック・ナショナリストとは、民主的な価値や原則より、認知される遺伝的、宗教的、言語的な習慣の違いによって、アイデンティティーを定義する人々だ。アメリカのトランプ、ロシアのプーチン、ほかにも多くの国で、政治家たちはナショナリズムを刺激する。

共通の原因について、私はエコノミストとして、経済要因を考える。しかし、成長の減速より、重要なことは不平等の拡大、将来の不平等に関する不安である。

Benjamin M. Friedmanはその著書“The Moral Consequences of Economic Growth” (Knopf, 2005)において、人々が経済進歩を判断するのは、自分の親たちとの比較である、と書いた。エスニック・ナショナリズムは、個人的な失敗の理由を他者の悪意ある行動や陰謀の政にする。それはしばしば、エスニック、人種、宗教の対立激化をもたらす。

中所得や低所得の人々は、生活水準を維持するために、借り入れを増やしてきた。それは純粋に合理的な人々の経済モデルであるが、心理を無視している。すなわち、借金する人は個人的に恥じるのだ。

ヒラリー・クリントンの提案する、富裕層に増税して、低所得層を支援する計画は、所得が伸びない、親より貧しくなった人々に強く支持されていない。多くの人たちは、たとえそれが彼らを助けるものでも、施しを受けたくないのだ。彼らは良い所得を得て、自分たちが価値ある存在であることを示したい、と考えている。

そのような嘆きがある人もかかわらず、累進課税は不平等拡大の傾向を阻止する最善の策であろう。

NYT OCT. 15, 2016

The Authentic Power of Michelle Obama

Frank Bruni

ミシェル・オバマMichelle Obamaの言葉はトランプの選挙を終わらせた。

NYT OCT. 15, 2016

Michelle Schools Donald Trump

Maureen Dowd

NYT OCT. 15, 2016

How to Be a Man in the Age of Trump

By PEGGY ORENSTEIN

The Guardian, Sunday 16 October 2016

As political discourse descends into rage, thank god for Michelle Obama

Will Hutton

アメリカにはミシェル・オバマがいた。イギリスはハードBrexitを回避するために、彼女のような強い言葉で発言できる者がいない。

女性が期待される、男性の話す価値がある。それは文明社会の基礎である、と彼女は言った。トランプが女性について述べたこと、そして、それを『ロッカールームの会話』として擁護したことは、ある限界を超えた。正常ではない。政治においても許されない。恥ずべきことであり、耐え難いことだ、と。

アメリカの保守派は、Ayn Rand, Milton Friedman, Robert Nozick and Leo Straussのように、合理性を主張した。政府の規模を問題にし、それが経済的誘因や道徳を破壊する、と。合理性は憤慨へ、そして陰謀論へと転換した。

合理性に依拠した主張には、最終的な答えがない。社会を完全なリバタリアンの原理で築くことは不可能だ。しかし、同様に、公共財を求めて、公共領域の役割を過度に強調することも破滅に向かう。どちらも真理を独占してはいない、と知る。

右派が怒りに訴えるとき、民主政治の基礎を見失い、政治論議が不可能になる。ヒラリーを投獄するべきだ? 野獣トランプを自慢する支持者たちのTシャツ? 選挙を操作するエリートたちの陰謀? もはや真実ではなく、真実と感じるかどうかだけが重要である。

FP OCTOBER 16, 2016

The 2016 Epidemic of Afghan War Amnesia

BY STEPHEN M. WALT

FT October 16, 2016

Trump’s overt sexism obscures a more dangerous bias

Anne-Marie Slaughter

アメリカの女性たちがトランプを破滅させるだろう。

ミシェル・オバマの言葉は、アメリカの女性たちにもっと暗い時代を思い出させた。われわれはそれが過去のものだと思っていた。その時代には、女性たちの祖先が、文字通り、主人の所有物であった。

トランプを支持する中心的な集団は、アメリカが偉大な時代に戻ることを願っている。なぜならそれは、アメリカが白人男性によって支配され、女性たちが自分の居場所を知っている時代であるからだ。

FT October 16, 2016

Bizarro World has taken over global politics

Michael Fullilove

FT October 17, 2016

Donald Trump’s final throw of the dice

Edward Luce

Project Syndicate OCT 18, 2016

The Populist War on Women

SŁAWOMIR SIERAKOWSKI

NYT OCT. 18, 2016

From Russia (but Nowhere Else) With Love

Ivan Krastev


後半へ続く)