メディア・リテラシー概論」
07度秋 


担当: 社会学部メディア  渡辺武達 twatanab@mail.doshisha.ac.jp

3講時 明徳館21番教室 



7  071115

 教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     ジェームズ・カラン著『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要は http://www1.doshisha.ac.jp/~twatanab に公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

1.受講者からの質問:

Q. 先週の特別講義「現代の出版界と活字文化のこれか ら」(講師:ミネルヴァ書房社長 杉田啓三先生)を聴いて、出版 文化の重要性をあらためて確認しましたが、インターネットによって、日本の出版はどのような影響を受けるのでしょうか?(社・メディア・3回生男)

A.インターネット全盛のように見えますが、しばらくするとこのブームも落ち着きを見せる でしょう。日本のテレビは1953年に始まりましたが、1962年には人びとの新しい情報源として新聞を抜きまし た。しかしそれから45年経っても、新聞はなくなってはいません。また、そのテレビが今、 インターネット、携帯の影響を受けて、しだいにその影響を小さくしています。つまり、新しいメディアは従来的メディアにかぶさっているだけで、前のメディ アをなくしているわけではなく、それぞれの特徴を補完しあっているのだと考えればいいのだと思います。

 

2.先週の講義から⇒「現代の出版界と活字文化のこれから」(講師:ミネルヴァ書房社長 杉田啓三先生)

  ・活字産業と文化の現在

    活字文化の特性⇒文化遺産の蓄積

            個人で考える「独立性」と「独自性」

            論理的思考

 

    テレビとの対比⇒映像文化からの影響

            雑誌のヴィジュアル化

            サウンド・バイト→効果的な短い表現

参考書:小田玲子『サウンド・バイト 思考と感性が止まるとき』 東信堂、2003

     

3.今週の講義

・インターネット社会の特性

ジェームズ・カラン著、渡辺武達監訳 『メディアと権力』論創社、2007年 第8章

 

ニューメディア論の関連文献で人気のある一つ の理論は、新しいコミュニケーション技術が「電子民主制」(Electronic Democracy)をもたらすというものである。規模が全国にまたがり、さらには適切な知識へのアクセスが不平等であったり、政治家と市民の乖離が増大 したりして、これまで解決不能であった問題がコンピューターの支援による直接民主主義によって解決可能になったとするニューメディア論である。人びとは日 常的な問題について、多数者間の双方向的なインターネット技術を駆使して議論し、オンライン投票によって公共政策を決定することができるというのだ。

 だが、この考え方は誤謬に満ちた妄想である。コンピューターの所有状況は依然としてかな り不平等であり、オンライン投票では低所得世帯の参政権を剥奪しかねない。直接民主制はこれまでいつでも、エリートの少数派だけが先導しようとする高度 で、集中的な政治参加を前提としてきた。だが一方で、オンライン投票となれば、十分な時間がないままにこれまで討論したり考えたりすることができなかった 膨大な数の問題について、人びとは投票させられることになる。このことは投票行動、従来的な国民投票による政府をあたかもオンラインショッピングのように してしまうであろう。その影響はおそらく政治というものを、公共的な議論による集合意志の形成というやり方から、おざなりな思案と個人的嗜好による選好の 単純な集積物にしてしまうだろう。それこそ、究極の「私中心」(me-centred)政治だといえよう。

 

・メディアの信頼度

     新聞⇒『メ ディアと情報は誰のものか』(潮出版社、2000年)p.103~

単行本と雑誌⇒『メディアと情報は誰のものか』(潮出版社、2000年)p.117~

     ☆アメリカ人のメディア信頼度は低い→Mindich, David. (2005) Tuned Out: Why Americans Under 40 don’t follow the News. NY: Oxford University Press

 

・メディアのつくる社会観(世界観・倫理観・歴史観):米国の例から

メディアが社会観を形成している→国内の職業 イメージ:アメリカの場合

 

PRESTIGE OF 23 PROFESSIONS AND OCCUPATIONS

The Harris Polls  #58, July 26, 2006

Firefighters, Doctors and Nurses Top List as "Most Prestigious Occupations," According to Latest Harris Poll

"I am going to read off a number of different occupations. For each, would you tell me if you feel it is an occupation of very great prestige, considerable prestige, some prestige or hardly any prestige at all?"

Base: All Adults

 

Very Great Prestige

Considerable Prestige

Some Prestige

Hardly Any Prestige At All

Not Sure/ Refused

%

%

%

%

%

Firefighter

63

23

11

3

-

Doctor

58

30

10

1

1

Nurse

55

24

17

4

-

Scientist

54

26

15

4

*

Teacher

52

22

20

6

*

Military officer

51

30

16

3

1

Police officer

43

26

26

4

1

Priest/Minister/Clergyman

40

28

24

7

1

Farmer

36

21

26

15

1

Engineer

34

35

26

4

1

Member of Congress

28

23

31

17

1

Architect

27

24

33

19

1

Athlete

23

24

33

19

1

Lawyer

21

23

36

20

*

Entertainer

18

23

37

22

*

Accountant

17

30

40

11

1

Banker

17

29

43

11

1

Journalist

16

27

41

16

*

Union Leader

12

21

38

25

3

Actor

12

13

37

37

1

Business executive

11

30

43

15

1

Stockbroker

11

25

42

22

1

Real estate agent/broker

6

17

44

32

1

TABLE 2

29-YEAR TREND FOR "VERY GREAT" PRESTIGE

"I am going to read off a number of different occupations. For each, would you tell me if you feel it is an occupation of very great prestige, considerable prestige, some prestige or hardly any prestige at all?"

Base: All Adults

 

1977

1982

1992

1997

1998

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

Changes since 1977

%

%

%

%

%

%

%

%

%

%

%

%

%

Firefighter***

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

55

48

56

63

NA

Doctor

61

55

50

52

61

61

61

50

52

52

54

58

-3

Nurse

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

47

44

50

55

NA

Scientist

66

59

57

51

55

56

53

51

57

52

56

54

-12

Teacher

29

28

41

49

53

53

54

47

49

48

47

52

+23

Military officer

NA

22

32

29

34

42

40

47

46

47

49

51

NA

Police Officer **

NA

NA

34

36

41

38

37

40

42

40

40

43

NA

Priest/Minister/ Clergyman

41

42

38

45

46

45

43

36

38

32

36

40

-1

Farmer

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

36

NA

Engineer

34

30

37

32

34

32

36

34

28

29

34

34

0

Member of Congress

NA

NA

24

23

25

33

24

27

30

31

26

28

NA

Architect

NA

NA

NA

NA

26

26

28

27

24

20

27

27

NA

Athlete

26

20

18

21

20

21

22

21

17

21

23

23

-3

Lawyer

36

30

25

19

23

21

18

15

17

17

18

21

-15

Entertainer

18

16

17

18

19

21

20

19

17

16

18

18

0

Accountant

NA

13

14

18

17

14

15

13

15

10

13

17

NA

Banker

17

17

17

15

18

15

16

15

14

15

15

17

0

Journalist

17

16

15

15

15

16

18

19

15

14

14

16

-1

Union leader

NA

NA

12

14

16

16

17

14

15

16

15

12

NA

Actor

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

13

16

16

12

NA

Business executive**

18

16

19

16

18

15

12

18

18

19

15

11

-7

Stockbroker

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

8

10

8

11

NA

Real estate broker/agent

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

NA

6

5

9

6

NA

* No trend; NA not asked

 

4.来週の講義⇒広告の公共性とAC(公共広告機構)→『メ ディア・リテラシー』ダイヤモンド社刊、p.147~を読んでおくこと。

    

以上

 

 

6  07118

 教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     ジェームズ・カラン著『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要は http://www1.doshisha.ac.jp/~twatanab に公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

1.今週の講義⇒特別講義「現 代の出版界と活字文化のこれから

 講師 ミネルヴァ書房社長 杉田啓三(すぎた  けいぞう)先生

 

 株式会社ミネルヴァ書房は本 社を京都に 置き、東京に営業所がある。創業は1948年で、学術書を主として出版している。社名は、ヘーゲルの『法哲学』の序文にある「せまりくる黄昏れをまって、はじめて飛 び立つミネルヴァのふくろう」という言葉から取られており、会社のマスコットにもこの「ミネルヴァのふくろう」を用いている。

 メディア関係では『叢書 現 代のメディアとジャーナリズム』(津金澤聰廣・武市英雄・渡辺武達編、全8巻)を刊行中であり、その第3巻が渡辺武達、松井茂記編『メディアの法理と社会 的責任』である。

今回の講義では、活字文化の衰退が指摘されるな かで、活字と映像メディアがどのようにかかわり、デジタル化時代に共存をはかり、活字の良さがどのように現代社会に活かされるべきかを説く。

略歴:
昭和23年生まれ
昭和46年 同志社大学経済学部卒業
レンゴー株式会社(旧 聯合紙器株式会社)、特殊法人日本勤労者住宅協会を経て
昭和51年 株式会社ミネルヴァ書房入社
編集部長、副社長を経て、平成10年 代表取締役社長に就任、現在に至る
現在、日本書籍出版協会理事

 

以上

5 07111

教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     ジェームズ・カラン著『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要は http://www1.doshisha.ac.jp/~twatanab に公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

1.受講者からの質問:

Q.ビデオで「コーポレートメディア」(関西テレビ制作)を見ましたが、放送番組の制   作には取材記者や現場の人たちの 意見はどれぐらい反映されるのでしょうか?(文・3回生男)

A.いろいろなメディアへの影響がありますが、@現場の制作陣の影響力とA企業としてのテレビ局の力、そ してB総務省やC広告主の力、を見てみると、私の印象では、1:4:2:3ぐらいという印象です。もちろん、それら4者の関係は固定的ではなく、取材対象 によって可変的です。

 

2.先週の講義から⇒ビデオ放映による確認と解説

@20071015日(月、20:00-54放映)日本テレビ「世界まる見えテレビ:9.11「ツインタワー崩壊の疑惑を追え」 (世界まる見え!テレビ特捜部)日本(読売)テレビ

http://blog.goo.ne.jp/momotaro-1941/e/8b349110d247176ed1848b602cb9b4a8

 ☆’ The 9/11 Cpmmission Report’ authorized edition by W.W. Norton

奧菜秀次『陰謀論の罠 「9.11自作自演」説はこうして捏造された』』光文社、2007

 ☆注意すべきはこの番組のスポンサーと『発掘!あるある大事典II』のスポンサーが同じ会社であることである。

 

Aソフトパワーとは何か?

CCTV(中国中央テレビ)の英語国際放送、「チャンネル9 Dialogue200711日放映 「2006年を振り返る」ジョゼフ・S.ナイVS渡辺武達

☆ナイ『ソフト・パワ− 21世紀国際政治を制する見えざる力』日本経済新聞社、2004

     ☆海外取材情報の正しい見方 『メディア・リテラシー』pp.22-28

☆「朝まで生テレビ」のトリック」『メディア・リテラシー』ダイヤモンド

社、pp.15-2187年開始、田原総一朗司会、日下雄一プロデューサー)」

3.今週の講義:マスメディアの日米比較

     参考:「情 報源としての新聞」『メディアと情報は誰のものか』(潮出版社、2000年)pp.102-116

  

   日米メディア比較

     ・規模

     ・系列

     ・内容

     ・経営

     ・ジャーナリスト

 

T:日本マスメ ディア事情、その2

     ・グローバル化時代 のマスメディア

・日本の新聞とその仕組み

     ・日米新聞の信頼度 比較、シールド法の確立

 

U:日本マスメディア事情、その3

     ・ユビキタス社会 (情報ネットワーク)を生き抜く知恵

     ・ユビキタス社会(ubiquitous society)〔情報社会〕とは⇒総表現社会

     参考:野村総合研究所著『ユビキタス・ネットワークと市場創造』野村総合研  究所、2002

     ・災害報道のあり方:放送法6条の2「(災害の場合の放送) 放送事業者は、国内放送を行うに当たり、暴風、豪雨、洪 水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をする ようにしなければならない。

 

     ・市民主権社会の構想とメディアネッ トワー

      @インターネットの利用は相互理解を促進す る?

        どのような相互理解か?

      Aインターネットは誰が管理しているのか?

        インターネットのプロバイダーは誰か?

      Bインターネットの情報発信は世界的に平等 か

        アフリカ大陸全体よりもNYマンハッタ ンからの発信量が多い

      ☆カラン『メディアと権力』(論創社、 2007年)の第8章「民主制とメディア」に「メディアの役割と分業」p.378

 

4.次週の講義⇒特別講義「現代の出版界と活字文化のこれから

 講師 ミネルヴァ書房社長 杉田啓三(すぎ た けいぞう)先生

  

講師略歴:

  昭和23年生まれ

昭和46年 同志社大学経済学部卒業

レンゴー株式会社(旧 聯合紙器株式会社)、特 殊法人日本勤労者住宅協会

昭和51年 株式会社ミネルヴァ書房入社

編集部長、副部長を経て、平成10年 代表取締 役社長に就任、現在に至る

現在、日本雑誌出版協会理事

 

以上

 


4 071018

教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     ジェームズ・カラン著『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

 

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要は http://www1.doshisha.ac.jp/~twatanab に公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

1.受講者からの質問:

Q. 先日の授業で再送信問題(福島のケーブルテレ ビでこれまで関東地域のテレビが見られたのに、デジタル化するとダメになる件)では前回講義で丁寧に解説していただき、ありがとうございました。放送対象地域の規定が放送法にあることと、番組制作局とスポンサーの利害の関係でケーブルテレビが再送信することが困難であることはよく分かりまし た。しかしこれは現代のインターネット時代にそぐわないので改善されるべきだと考えます。現在の放送法や電波法で罰則がありそれは難しいことでしょうか? (社会・メディア学・2回女)

A. 民放(放送法の呼び方では「一般放送」)は放送法や電波法に拘束されますが、これには直接の罰則規定はありません。ケーブルテレビも放送法と電波法に準ず る法律を適用されますがいずれも免許事業であり、違反が重なると免許停止になります。また再送信については放送局はコンテンツの作 成者ですが、ケーブルテレビ側は流すだけで、基本的にはもうかるという矛盾がビジネス問題として出てきています。いずれにせよ、両者とも注意を受けたり、 意向に沿わないと免許更新に関係してきます。そのため、両者ともに監督官庁の総務省に逆らえません。おっしゃるように、それは現実には合いませんが、それ を変えるには視聴者の声が大事ですから、そうした市民運動が大きくなれば変わる可能性があります。

 

2.先週の講義:ソフトジャーナリズムの展開

☆ハードジャーナリズム⇒硬派の社会・政治論

ソフトジャーナリズム⇒娯楽・ヴァライエティ番組など

文献:カラン『メディアと権力』(論創社、2007年)の第8章「民主制とメディア」に「メディアの役割と分業」p.378

 

3.今週の講義:メディアを歪めるもの:社会的権力のなかのメディア

        メ ディアとコーポレートパワー(企業権力)

         ビデオ:「コーポレートメディア」(関西テレビ、2007年)

         ドキュメンタリー『チョムスキーとメディア』(シグロ、2007年)

 

A. メディア支配の構図:放送の場合

 

第1 国民の利益を代理執行する行政組織・郵政省(現・総務省)大臣による事業免許の付与と五年ごとの、 電波法による更新制度を利用した心的・物理的圧力

第2 電波法・放送法等の関連法規諸条項についての政権政党と高級官僚による恣意的な解釈およびその適 用、つまり解釈権の誤用。

第3 代議制民主主義の巧妙な利用、特定の経済・政治勢力と結びついた国会議員や党の部会などを利用して 放送に干渉するやり方  

第4 テレビと新聞社が系列にあることを利用した政治・経済権力の放送への干渉

第5 放送企業の利益至上主義、視聴率競争に起因する娯楽番組優先の番組編成およびセンセーショナルな報 道

第6 メディアを社会全体の力学関係のなかにおいてとらえない、狭量な文部科学省によるメディア(リテラシー)教育

第7 政権政党と行政官僚主導による公共性・公益性概念の排他的解釈

第8 大企業中心のスポンサーと広告業界が結托した社会問題の報道規制やドラマ内容への干渉等

第9 番組制作の外注化による経費削減策およびメディア関係者の責任意識の欠如と転嫁

10 各種シンクタンクへの経営戦略立案委託および倫理感の欠如した学者・文化人等の重用と迎合的発言の利用

11 ジャーナリストの不勉強と建設的なメディア批評の不在

12 上述のことをオーディエンスに不思議に思わせない、主流メディアによる日常的な情報提供と教え込み

 

 B. 最近の放送番組の問題:世界まる見え!テレビ特捜部

・これは言論の自由なのか?

            ・解説なしでいいのか?

            ・これだけ重要な問題をバラエティ番組化していいのか?

20071015日(月、20:00-54放映)日本テレビ「世界まる見えテレビ:9.11ツインタワー崩壊の疑惑を追え」 (世界まる見え!テレビ特捜部)

http://blog.goo.ne.jp/momotaro-1941/e/8b349110d247176ed1848b602cb9b4a8

 

4.次週の講義⇒マスメディアの日米比較

  シラバス 3.日本マスメディア事情、その2

         ・グローバ ル化時代のマスメディア

・日本の新聞とその仕組み

         ・日米新聞 の信頼度比較、シールド法の確立

4.日本マスメディア事情、その3

         ・ユビキタ ス社会(情報ネットワーク)を生き抜く知恵

         ・災害報道のあり方

         ・市民主権社会の構想とメディアネットワーク

 

以上


3 071018

教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     ジェームズ・カラン著『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

 

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要はhttp://www1.doshisha.ac.jp/~twatanabに公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

1.受講者からの質問:

Q. デジタル放送についてお聞きしたいのですが、私の実家の福島(東 北エリア)では、アナログ放送では東京のチャンネルがケーブルテレビで見られたのですが、デジタルになると、それらをこれまでのようにケーブルテレビ経由 では配信することができなくなると言われました。なぜそうなるのでしょ うか?しかし私たちは現在のアナログ地上波で別に困っているわけではないし、多くの人はそれで十分に楽しんでいるように見えます。しかしそ れが法律的に、2011年7月24日、完全デジタル化(地デジ、BSデジタル)するのですが、いったいこれから日 本の放送はどうなるのでしょうか?(社会・メディア2回生女)

A.デジタル化は世界の流れで、今やこれをしないと他国との通信・情報交換に支障が出ますし、日本社会のコンピュータ化も進 行しているので、デジタル化は必然的です。しかしふつうの生活では今のところ、アナログでも問題はないので、政府と産業界のつごうでデジタル化が進行して いるともいえますね。さて肝心のお問い合わせの件ですが、「区域 外再送信問題」と言われている問題です。

放送法には「放送対象地域」という規定があります。この条項の適用により、別の地方への中継が難しくなっています。私 自身はインターネットなどですでに地域の概念は技術的にも実質的にもなくなっているので、そういうことこそ変えていかねばと思います。ただし、対象地域向 けたCMなどに不都合が出て、地域のスポンサーなどは不愉快になるのでしょうね。この件は総務省の以下のHPに詳しく出ているのでご覧ください。

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/yusen/pdf/071005_2_si1-4.pdf

放送対象地域

放送対象地域とは、同一の放送番組の放送を同時に受信できることが相当と認められる一定の区域(放送法第2条の22項)のことであり、その地域の自然的、経済的、社会的、文化的諸事情や周波数の効率的使用を考慮して、放 送普及基本計画において規定(放送法第2条の23項)。

放送対象地域の意義

(1)放送系の数の目標放送の計画的な普及及び健全な発達を図るため、放送普及基本計画において、放送対象地域 ごとに普及させる放送系の数の目標を設定。(2)「あまねく受信」の範囲一般放送事業者:「放送対象地域において、当該放送があまねく受信できるように努 めるものとする。」(放送法第2条の26項)NHK:「中波放送と超短波放送とのいずれか及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受 信できるように措置をしなければならない。」(同法第9条第5項)

 

2.先週の講義:メディアが描く戦争〜ハイテク技術と兵器を描いたドキュメンタリーから〜

講師:三井愛子(同志社大学社会学部非常勤講師)

 

3.今週の講義:メディアと権 力〜娯楽番組とのかかわり〜

  今週の使用ビデオ ⇒@Sex and the Cityの第1話

A「結婚できない男」(関西テレ ビ製作、阿部寛主演)

配 布物⇒@「娯楽番組の公共性」(SANKEI EXPRESSコラム「メディアと社会」07.1016)

     A新聞社とテレビ局への苦情データ

 

ソフトジャーナリズムの展開

  ☆硬派の社会論を ハードジャーナリズムとすれば、娯楽・ヴァライエティ番組などは「ソフトジャーナリズム」といえる。

・娯楽と政治

  参照:カラン『メディアと権力』(論創社、2007年)第8章「民主制の維持とメディア」のpp.388-393

 

・ソフトジャーナリズム⇒071011日ボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ、内藤大助vs.亀田大毅戦について、翌日の各紙は「反則連発、最低の負け」、「前代未聞、投げ技、頭突き、反則連発」な どと、敗者亀田を酷評した。

  スポーツで教える 社会倫理と道徳

スポーツに名を借りたセンセーショナリズムと視聴率主義

 

・娯楽とレジャー

  @その違い

  A「する」レジャーと「見る」レジャー

・娯楽におけるジェンダー転換

History からHerstoryへの移行

 『メディアと権力』(論創社、2007年)第1章「メディア史論の相克」pp.27-36“女性の進出:女権拡張派の言説”

 

・娯楽の社会的意義

 @カラン『メディア と権力』(論創社、2007年)第8章「民主制の維持とメディア」のpp.388-393←ソフトジャーナリズム

A戦 前の哲学者・社会評論家の戸坂潤は娯楽について、「真実にそして幸福にか  つ健康な生活をするための、もっとも大きな民衆的な関門である」といった (「娯楽論」1937年、全集第四巻、p.464)。

4.来週の講義⇒メディアを歪めるもの:社会的権力のなかのメディア

        メ ディアとコーポレートパワー(企業権力)

          ビデオ:「コーポレートメディア」(関西テレビ、2007年)


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  教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモン ド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出 版社、2000

     渡辺武達『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界 思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期試験期間内におこなう。テキスト・参考書およ び自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

 

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要はhttp://www1.doshisha.ac.jp/~twatanabに公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

 

本日は特別講義

メディアが描く戦争〜ハイテク技術と兵器を描いたド キュメンタリーから〜

講師:三井愛子(同志社大学社会学部非常勤講師)

 

皆さんにはまず、二つのドキュメンタリーを一部分ずつですが、みていただきます。どちら も主題は「戦争」であり、特に「ハイテク兵器」というものが取り上げられています。

 

《映像資料 1》

NHKスペシャル 2006年7月10日放送

シリーズ 危機と闘う テクノクライシス 第2回 「軍事転用の戦慄 ロボット」 

《映像資料 2》

BSドキュメンタリー 2004年10月12日 放送

「ハイテク米軍の誤算」 (制作:ニューヨーク・タイムズ・テレビジョン 2004)

 

これら2つのドキュメンタリーはそれぞれに異 なった時期に異なった制作会社によって作られています。そして、片方は地上波放送で、一般家庭でもみられるNHKの看板番組であるNHKスペシャルで放映 され、もう一方は、NHKのBS1衛星第一放送で放映されたものです。

不特定多数の人が、放映されている時間にテレビのスイッチを入れればみることが可能な状 態にあります。ただし、BS放送は特別な契約をしていないと十分な条件でみることができません。このBS1では海 外で制作された様々な社会問題、国際問題を取り上げたドキュメンタリーが数多く放映されています。

 

この2つをまずはみてください。そして、何か自 分の中で気になること、印象に残ったことがあれば、ぜひメモをとってみてください。それが、おそらく自分が何を考えているのかを自分自身で知るきっかけに なります。そして、どうしてそれが気になったのかを後で考えてみてください。それが、自分自身のメディア・リテラシーについて知るきっかけとなるでしょ う。

本来であれば、全部を見てもらいたいのですが、時間の都合で、途中でカットしています。

 

メ ディア・リテラシーとは何か?

メディアのあり方を社会構造の中において理解し、メディアの提供する情報を正しく読み 解き、メディアを使いこなす日ちびとの能力のこと。メディアの構造・特徴・情報送出の仕組みから、その社会的機能や責任、その内包する諸問題までを人々が どれほど知っているかということを含んだものとして考えなければならない。『メディア用語を学ぶ人のために』p.99より抜粋)

 

→すべてのメッセージには意図があるという、本質的な部分を念頭にメディアが描く世界 とは一体どのようなものか、メディアを読み解く能力が要求される

 

〈メディアを読み解くときに重要な要素の一例〉

         内 容・質・量・目的・タイミングこれらの五つの要素において生まれる効果とは?

         ど のような効果を期待しているのか、その意図はどこにあるのか?

          

ド キュメンタリー:実際の事件・紀行・冒険・科学的分 析などを内容とした映像作品のことをいう。様々なジャンルがあり、ノンフィクション・フィルムともいわれる。優れたドキュメンタリー作品は少なくとも@そ の作品にこれまで知られていなかったことが描かれている、A多くの人にとって知るべき社会的事実が描かれている、B科学的事実が社会の知的水準を高めるべ く描かれている。

『メディア用語を学ぶ人のために』p.62より抜粋)

 

ドキュメンタリー

・あまり視聴率がとれない種類の番組

              代表的なドキュメンタリーの放送局としてのNHK

              総合と衛星第一の2つのチャ ンネルが中心

              総合→NHKスペ シャルを中心に、人間ドキュメント、アーカイブス他

              衛星第一→BSドキュ メンタリー、BS世界のドキュメンタリー、BS特集他

                            海外で制作されたものが多く放映されている

・総合で放映するもの、BSで放映するもの、これらを比較して その視聴率と影響力の違いも読み解く  要素としても重要となる

・民放(民間放送)では、ドキュメンタリーにはスポンサーがつきにくく、週数回、深夜 に放映されている。

→最近は日曜日の夜遅くに集中している

 

〈メディアが描くハイテク兵器〉

         ド キュメンタリーとして上記の三要素が含まれているか

         2つのドキュメンタリーから何が読み取れるのか

         番 組の目的 → NHKの解説員などが最初に説明することで、見る側の枠組みができあがる

         番 組の中で何がどのように取り上げられ、何がわかるのか、時に何が取り上げられていないのか(内容・質・量)、そしていつ・どのようなタイミングでの放送 か、という点に注意すれば情報を読み解くことがしやすくなる

         な ぜ片方は地上波でもう一方は衛星放送でのみ放映され、ほとんど地上波で放映されないのか

         誰 が情報の提供者、協力者なのか

         直 接・間接に関わってくる社会的事象はどのようなものがあるのか

 

地上波で放映された方は、ハイテク技術を戦争で使う事実を元に、兵器への転用を受け入 れた場合と拒否した場合を取り上げている。BSで放映されたものは、主としてハイテク兵器が万能ではなく戦争の本質は「人が人を殺す こと」という点において何ら変わっていないという点において戦争の本質について問うことをしている。

しかし、2004年に放映されたものでみた多くのハイテク兵器の欠点は2006年 に放映されたものの中で多くが克服されているという、現実の進歩がみられる。こうしたことをふまえて、メディアが戦争を描く上で様々な局面を取り上げる が、私たちがこれからどうしたいのか、どのような社会を目指していくのかを考え判断する上で、充分な情報を提供しているといえるだろうか。

一般的な報道と比べて、一つのテーマに絞って時間をかけて描きあげるという点でドキュ メンタリーは重要な役割を果たす一方で、その質と量の面で、そして認知度、認識度のレベルにおける様々な問題が混在しているということがいえるだろう。

 

講師略歴:三井愛子(みつい・ あいこ)

岐阜県生まれ。米、ミズーリ州セントルイス大学卒、同志社大学大学院文学研究科博士課程 満期退学、修士(新聞学)。現在:同志社大学および神戸夙川学院大学嘱託講師。「国際紛争報道に見る情報管理社会構造〜旧ユーゴスラ ビア連邦における紛争とメディアの関係から〜」『新聞学』21号(2006年)。翻訳にジェーム ズ・カラン『メディアと権力』(論創社、2007年)の第5章「メディア社会学の中心課題」pp.228-315、ミッシェル・マクレラン「米国新聞の信頼低下と業界の自助努力」『メディアの法理と社 会的責任』(ミネルヴァ書房、2004年)、pp.254-275、など。

 

 参考文献

デイビッド・ハルバースタム 『メディアの権力』  朝日文庫 1995

デイビッド・ハルバースタム 『静かなる戦争 アメ リカの栄光と挫折』 PHP研究所 2003

ピーター・アーネット 『戦争特派員 CNN名物記者の自伝』 新潮社 1995

フィリップ・ナイトリー 『戦争報道の内幕』 時事 通信社 1987

ボブ・ウッドワード 『司令官たち』 文藝春秋 1991

山田風太郎 『戦中派不戦日記』 講談社文庫 2002

木下和寛 『メディアは戦争にどうかかわってきたか  日露戦争から対テロ戦争まで』 朝日選書 776 朝日新聞社 2005

桜井 均 『テレビは戦争をどう描いてきたか 映像 と記憶のアーカイブス』 岩波書店 2005

高木 徹 『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操 作とボスニア紛争』 講談社文庫 2005

 
 
次週の予定:メディアと権力〜娯楽番組とのかかわり 〜

 

                  以上


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 教科書:渡辺武達著『メディア・リテラシー』ダイヤモンド社、1997

     渡辺武達著『メディアと情報は誰のものか』潮出版社、2000

     渡辺武達『メディアと権力』論創社、2007

参考書:渡辺武達著『マスコミの英語』NOVA出版局、2003

渡辺武達他編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999

     渡辺武達著『メデイア・トリックの社会学』世界思想社、1995

 

テスト:秋学期の定期 試験期間内におこなう。テキスト・参考書および自筆ノートの持ち込みは可。講義内配布のパンフレット類は不可。自筆のノートを作ること。

 

☆ 本講義はカレントな問題を取り扱うので、シラバスの順番と違う場合がありますが、全体としてシラバスで提 示した項目を扱っています。

☆ 本講義の概要はhttp://www1.doshisha.ac.jp/~twatanabに公開しています。(注意:wwwのつぎは数字のワン、jp/のつぎの「〜」は半角の上部だけの波形です)

今 年度講義概要(シラバスから)

  現代のマスメディアは(1)大広告主優先の論理,(2)商業利益主義の論理,(3)国家支配の論理,の三つによっ て動かされている。そこでは,メディアが社会をつくり,そのメディアがうそをつけば民主主義の根本がくずれるというもっとも重要なことが意識的に隠され, 娯楽情報優先のメディア事情がつづいている。この講義では,グローバルに展開する現代社会の各種メディアの特質とその社会構造的位置づけをおこなう。また インターネットを中心とした若い世代の情報アクセスのなかで、放送と新聞の役割を捉え直し、どのようにメディアの提供する情報を読み解き,メディアをみず から使いこなしていけるのかをともに考えていきたい。欧米のメディア事情を紹介しながら,日本のメディアの現状とメディアの社会的責任についても比較、検 証したい。講義はそのときどきのメディアの話題をとりあげ,ビデオ映像なども教材として使用する。なお,カレントな問題を扱うので,授業内容には順番の変 更がある。 

今週 の話題シラバス第一講.→「メディアとメディア・リテラシー」

 

はじめに:メディアとジャーナリズムの社会的責任 は第一に、現実社会を忌憚なく人びとに伝え、人びとのまともな判断能力に資することである。さらには、「権力を持たない人たちが権力の抑圧に苦しんでいる とき、その構造を明らかにして、個々人の積極的な社会参加を助ける情報を提供し、明るい社会を建設していくための牽引力となること」に求められる。

 

Aメディア・リ テラシーとは何か→テキスト『メディア・リテラシー』pp.i-v「はじめに」およびpp.96107

☆参考書『メディア用語を学ぶ人のために』(世界思想社、1999年)のp.99

の「メディア・リテラシー」の項、『マスコミの英語』の関連項目

 

☆概念説明 メディ ア・リテラシー media literacy 

 メディアのあり方を社会構造のなかにおいて理解し,メディアの提供する情報を正しく読み解き,メディア を使いこなす人びとの能力のこと。ある社会で文字を読み,書くことができる人の能力とその率をリテラシー(識字率)というが,メディア・リテラシーは表面 的な情報の読み解き方だけではなく,メディアの構造・特徴・情報送出の仕組みから,その社会的機能や責任,その内包する諸問題までを人びとがどれほど知っ ているかということもふくんだものとして考えなければならない。それはたんに市民がメディア批判を行うということではなく,市民の側もまた現在のメディア が政治・経済権力の圧迫や広告主からの圧力など,いかなる困難に直面し,いかなる内部的闘いを強いられているのか,またメディアの論理と限界,紙面や番組 などの制作過程やそれらの特徴を知り,その改革活動に従事しなければ,メディアの質は向上せず,市民・国民が主権者である社会の建設は簡単ではないという 思想を背景としている。【参考】(渡辺武達・山口功二編『メディア用語を学ぶ人のために』世界思想社,1999年、から)

 

B.現代のメディア社会情報環境とグローバルな市民主権社会(民主社会)の建設

問題提起1→プライムタイムにおける娯楽番組の増加をどう考えるか

  例:スポーツ中継 番組や「花盛りの君たちへ」、「Sex and the City:1998年〜2004年にアメリカのケーブルテレビ局HBOが作成した連続ドラマseason1-6」など

 a)日本中に夢と活力を与えてくれる。

 b)こうした娯楽提供によって、もっと重要な社会的問題から国民の目がそらされる。

 c)社会に一般化した道徳規範の表現に過ぎない⇒ポピュリズムの考え方

 

問題提起2→新聞やテレビ(マスメディア)の報道は正しいのか?

      各紙07 年9月28日朝刊報道のミャンマー(旧ビルマ)取材日本人記者死亡ニュースの見方

      a)どういうスタ ンスでの報道か

      b)インターネッ ト時代と市民記者の登場

      c)メディアと情 報は誰のものか?

 

問題提起3.マスメディアと政府による規制と監理

a)日刊紙の 発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持 分の譲渡の制限等に関する法律(昭和26・6・8・法律 212号、改正平成2・6・29・法律  65号−−改正平成13・6・29・法律 80号−−改正 平成13・11・28・法律 129号−−改正平成14・5・29・法律 45号−−改正 平成16・6・9・法律  87号−−改正平成16・6・9・法律 88号−−改正 平成17・7・26・法律  87号−−)株式の譲渡制限等

1条 一定の題号を用い時事に関する事項を掲載する日刊 新聞紙の 発行を目的とする株式会社にあつては、定款をもつて、株式の譲受人を、その株式会社の事業に関係のある者に限ることができる。この場合には、株 主 が株式会社の事業に関係のない者であることとなつたときは、その株式を株式会社の事業に関係のある者に譲渡しなければならない旨をあわせて定めることがで きる。

 

b)放送法と電波法←『メディア用語を学ぶ人のために』関連項目

電波法規定:第二章 無線局の免許(無線 局の開設)

第 四条  無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。 ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りではない。

(欠格事由) 第五条  1  左の各号の一に該当する者には、無線局の免許を与え ない。 一  日本の国籍を有しない人    二  外国政府又はその代表者

        三  外国の法人又はその代表者     四  法人又は団体であつて、前三号に掲げる者がその代表者であるもの又はその役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるもの。

 

放送法規定:(国内放送の放送番組の編集等)

第三条の二  放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

   一  公安及び善良な風俗を害しないこと。

   二  政治的に公平であること。

 三  報道は事実をまげないですること。

   四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

    放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送の放送番組の編集に当たつては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番 組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。

  4  放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するため の音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる 限り多く設けるようにしなければならない。

 

C今、 なぜメディア・リテラシーか→メディアの仕組みを知り、情報を活用する為

☆メディアがなければ、個人的生活圏以外のことはわからない。

☆そのメディアはどのような論理で動き、どういう外部メカニズムの影響を受けているのか?→NHK不祥事放送から

 

次週のお知らせ:→特別講義:「メ ディアが描く戦争」

講師:三井愛子先生(同志社大学非常 勤講師)

参考:木下和寛『メディアは戦争にどうかかわってきたか〜日露戦争から対テロ戦争まで』朝日新聞社、2005年。桜井均『テレビは戦争をどう描いてきたか〜戦争と記憶のアーカイブズ』岩波書店、2006年

参考:軍事クーデターのタイ、 米が軍事関連などの支援を停止

 【ワシントン=坂元隆】米政府は28日、軍事クーデターが起きたタイに対し、軍事関連など合計約2400万 ドル(約28億円)の支援を停止した。 (読売新聞電子版: 2006年9月29日 10:38)