研究概要

日本外交における歴史的経験は、国際関係上のいわば実験として、国際関係の根本的な問題や原理に関して何らかの知見を提供しうるのだろうか。また国際関係理論は、否応なくヨーロッパやアメリカの歴史や知見を反映しているが、日本外交を分析する上でも適確な手がかりになりうるのだろうか。

日本の国際関係論は、理論研究と歴史研究(そして地域研究)に大きく分かれている。日本外交を分析する際、外交史・国際関係史の観点からは、現象のもつ個別的性格を緻密に描きだすことになる。これに対して国際関係理論の観点からは、一般性のある仮説やパターンにそくして現象を説明することになる。国際関係の理論と歴史の研究は、しばしばすれ違い、建設的な対話が余りないままに、それぞれ研究成果を蓄積してきた。

他方で、近年の理論研究は、かつてのように論争を繰り広げ、新たな説を次々に生み出してはいない。新たな現象を適切に捉えるために、適切な視点を獲得しあぐねているのかもしれない。日本外交史の研究は、膨大な史料に恵まれながらも、むしろそれゆえに史料を解釈する視点を見いだしにくくなっているのかもしれない。

国際関係をめぐる理論・歴史研究は、過去の日本やアメリカにおいて相互に触発し、研究上の相乗効果も示してきた。本研究プロジェクトでは、3年間の共同研究によって次の4つの課題に取り組む。そこで得られる刺激と知見は、今日の国際関係の中の日本外交を考える上でも、示唆を与えてくれると考えられる。

  1. 日本における過去の理論・歴史対話の再評価。
  2. 国際比較としてアメリカ・ドイツにおける理論・歴史対話の検討。
  3. 新たな理論・歴史対話のポイントと方法の摸索。
  4. 日本外交の事例分析。

Topics

2016年03月17日
ホームページを公開しました。
2016年03月17日
以下の研究会を開催いたします。3月12日の研究会は公開し、京都国際関係研究会として開催します。
2016年03月13日
報告「日本における理論・歴史対話の「成功」例? ―対外政策決定論・日本外交史対話の再考―(仮題)」
報告者 大矢根聡(同志社大学)
(京都平安ホテル)
2016年03月12日
報告「戦後日本外交の歴史分析と理論構築 ―特恵貿易政策の事例―(仮題)」
報告者 保城広至(東京大学)
(同志社大学・今出川キャンパス)