秋の食養生

秋は、五行では「金」に属し、五臓では「肺」に属す。自然界の特徴は「燥」であるため、陰液不足を起こしやすい。不健康な状態だと「肺」や身体の水分が損なわれやすく、「咽喉や鼻、肌、毛髪」などの乾燥やパサツキが起こりやすい。したがってこの時期は“補肺潤燥”すなわち「補陰(体液を補充し全身に栄養を与え、のぼせ、熱感、口渇、熱証を伴う性機能減退に効果。)」「生津(消化液、涙、汗、尿などすべての体液を補充し、肌や髪の乾燥予防に効果。)」「化痰(気道などに停滞した粘稠な痰を取り除き、咳や痰などがからむときに有効。)」な働きのあるものを摂り、身体に“潤い”を与える必要がある。

 

補陰の働きのある食材

     野菜類=木耳、ホウレン草、百合根、キュウリ、トマト、茄子、白菜、山芋

     魚介類=浅利、鮑、烏賊、貝柱、牡蠣、蟹、蜆、蛤、蛸

     果物類=無花果、柿、梨、ビワ

     肉類=鴨肉、鶏肉、豚肉

     その他=蕎麦、松の実、枸杞の実、黒胡麻、黒豆、豆乳

 

生津の働きのあるもの

     野菜類=キュウリ、黒くわい、銀耳、冬瓜、トマト、蓮根

     果物=アンズ、梅、柿、キューウィー、梨、パイナップル、ビワ、ブドウ、

     ミカン、メロン、桃、イチゴ、リンゴ、レイシ、レモン

     その他=豆腐、湯葉、緑豆、葛粉、牛乳

 

化痰の働きのあるもの

     野菜類=からし菜、黒くわい、牛蒡、春菊、大根、白菜、青梗菜、

      マッシュルーム、南瓜、キュウリ、アスパラ(緑)、紫蘇、冬瓜、

      トウモロコシ、トマト、苦瓜、人参、柚子、里芋

     魚介類=浅利、蟹、昆布、海苔、若布、蛤、鯉、穴子

     果物類=アンズ、梨、バナナ、ミカン、無花果、金柑、ビワ、メロン

     その他=湯葉、小豆、枝豆、えんどう豆、黒豆、大豆、緑豆、銀杏、落花生、

      枸杞の実、はと麦、牛乳、鶏肉

 

感想

     今回の料理もとてもたくさんの野菜が使われていた。これだけの野菜を使おうと思うと調理法もいろいろと工夫が必要で、料理はやはり奥が深い。

     秋は空気が乾燥する季節ということを認識させられ、秋の初めである今から食事によってこの問題を解決しようという意欲をわかされました。秋は食欲の季節であるとともにおいしい旬の食材がたくさんあります。

     自分たちが食したものは、すべてが薬膳料理であり、すべてが理にかなった食材だと認識することで「生薬」というものは「漢方薬」とは全く違った天然の食材であるというすばらしさを感じました。