プロジェクト科目  活動報告書

 

内容

比叡山生源寺における座禅体験と法話。

・座禅の方法

・先生のお話

 

☆座禅のポイント

お釈迦様が行われた方法でいたってシンプルなものをお教え頂いた。

 

・座るまでの準備。

○座布団を2枚用意する。一枚目は普通に置き、もう二枚目は半分に折りたたみ、一枚目の後方に置く。

○靴下は必ず脱いでおく。

 

・座り方

○両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)と片足だけを組む半跏趺坐(はんかふざ)と二種類ある。慣れない人は後者のほうが楽である。

○先ほど用意した二枚目の座布団の上に尻を乗せる。半分ほど乗るようにして座る。足は一枚目の座布団の上に乗せ、外へはみ出さない程度に組む。

 

・手の組み方

○法界定印(ほっかいじょういん)という組み方。

右の手のひらを上向きにして組んだ足の上に置き、その上に、左の手のひらを同じように上向きにして置き、両手の親指の先を、かすかに接触させる。ここで指先がまっすぐになるようにすることが重要。手を組んだ後は腹にくっつける。

 

・姿勢

○あごを引き、背筋を伸ばす。仙骨が前に出るようにすることが大切。肩の力を抜き、リラックスする。

 

・呼吸法

○自由に呼吸してよい。自らの呼吸を感じ取り数を数える。「ひとつ」の「ひと」というところで息を吸い、「つ」の部分で息を吐き出す。これを10まで数えてその後また1へと戻る。それをひたすら繰り返す。

 

・先生のお話

先生が仏法へ入門するまでの経緯や、仏教が日本の文化に如何に影響を与えたか。他宗教と仏教の比較、など様々な話題に及んだ。

 

 

 

 

 

 

 

感想:

今回の課外授業で、気づいたことが主に二つある。

 

一つ目は、おそらく仏教はよりよく生きるために、今、現在していることを認識させ、それによって生きている実感を得ようとしているのではないか、ということだ。

そう思う根拠の1つに先生の話にあった。それは大まかに以下のようなものだった。

修験者がある人に「あなたは修行をして具体的に一般の人とはどのように違うのか?」と尋ねられたとき、修験者は、「一見して、一般の人としていることは何も変わらない。だが、私は歩くときは歩くことを、食べるときには食べることを一般の人より遥かに考え、その行動を理解した上で行っている。」という話だった。

このように自分の行動を確認する修行はいくつもある。座禅でも自分の呼吸をただただひたすら認識する。

また、ヴィパッサナー瞑想法という、自分が行っていることをただ認識する瞑想法について先生はお話になっていた。例えば、物を食べるときは「箸を動かす、飯をつかむ、口元へ箸を近づける・・・」というように自分の行動をただ認識する。

これらのように、今、現在自分の行動を認識することによって自分が生きていることを実感できるのではないか?仏教ではそれを行うことで生を実感し、価値ある人生を送られるようにしようとする狙いがあるのかもしれない。

これは精神面の健康を保つための面白い方法だと思う。例えば、多忙な生活に神経を擦り減らすというのは、自分の認識できる以上の生活によって生きている実感を失ったことで起こるのではないか?ならば仏教の座禅などは誰にでもでき、効果もあるはずだ。

 

二つ目は、一つのことに専念することがとても大切だということだ。

今回の座禅体験で、思ったより自分は雑念が入って呼吸の数が数えられなくなることがあった。一つのことに集中して取り組むことは思った以上に困難だとわかった。たった一つのことを集中してやり遂げるだけでも大変なのに、今まで同時にたくさんのことをやろうとしていた気がした。もっと落ち着いて一つのことに専心してみようと考えを改めることができた。