オフェル・フェルドマン (Ofer FELDMAN)
 
履歴
(Updated 2017年4月)
              イスラエル生まれ、テル・アビブ大学で学士号(1979年)、エルサレム=ヘブライ大学で修士号(1982年)、文部省奨学金により来日 (1982年)、大阪外国語大学(現・大阪大学)日本語コース、 東京大学新聞研究所・留学生研究生(1982~1984年)、東京大学社会学研究科社会心理学研究室博士課程(1984~1987年)、東京大学より社会学博士号取得 (1987年、専攻:社会心理学)。現在は同志社大学政策学部にて教授をつとめる (専攻:政治心理学。担当授業:政治行動学)。
              以前は、鳴門教育大学助教授、茨城大学で助教授、筑波大学で外国人教師として、他にも東京大学、京都大学、慶応義塾大学、常磐大学、国際基督教大学などで奉職した経験を持つ。また客員助教授・教授として、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学 (1996年)、イスラエルのテル・アビブ大学(1997~1998年)およびエルサレム=ヘブライ大学(レディー・デイヴィスフェロー、2009~2010年)、 イギリスのヨーク大学(大和日英スコラー、1999年)、アメリカ合衆国のオハイオ州立大学(フルブライトスコラー、2001~2002年)、オーストラリアのクイーンズランド大学(2015〜2016)、ドイツのライプツィヒ大学(2016)につとめた。
              今までに 6冊の単独の著書があり、うち3冊は日本語(「人間心理と政治:政治心理学入門」早稲田大学出版部、1989年;「イメージで読む『永田町』」未來社、1992年;および「政治心理学」ミネルヴァ書房、2006年); 3冊は英語(Politics and the News Media in Japan、ミシガン大学出版部、1993年; The Japanese Political Personality、マクミラン社、1999年 & セント・マーティンズ社、2000年;およびTalking Politics in Japan Today、サセックス・アカデミック出版社、2004年[文庫2005年])である。なお単独の編著として Political Psychology in Japan (ノヴァ・サイエンス出版、1999年)。 他に共同編集した本が5冊、Politically Speaking (グリーンウッド出版、1998年)、Beyond Public Speech and Symbols (グリーンウッド出版、2000年)、Profiling Political Leaders (グリーンウッド出版、2001年) 、 Political Leadership for the New Century (グリーンウッド出版、 2002年) および Politische Psychologie: Handbuch für Studium und Wissenschaft (ノモス出版, 2015年)。加えて「現代政治学入門」(ミネルヴァ書房、1992年)、 Cross-Cultural Perspectives on Youth and Violence (JAI出版、1998年)、Political Psychology(パルグレイブ・マクミラン社/ニューヨーク市立大学出版部、2000年)、Autoritarismus(レスケ&ブドリッヒ社、ドイツ、2000年)、「政治学事典」(弘文堂、2001年)、「国際政治事典」(弘文堂、2005年)、「現代の日本政治」(原書房、2013年)にも共著者として名を連ねている。
              学術論文は日英独露語、スペイン語、ルーマニア語など多数あり、いずれもPolitical Communication and Persuasion (米国)、Journalism Quarterly (米国)、Government Information Quarterly (米国)、Comparative Political Studies (米国)、Political Psychology (米国)、Asian (ドイツ)、 Language and Dialogue (ドイツ)、Journal of Language and Social Psychology (米国)、Polis (Politicheskiye Issledovaniya) (ロシア)、及び Democracias(メキシコ)、国内では『新聞学評論』、『社会心理学研究』、『リヴァイアサン』などの学術専門誌に掲載された。
              また、『選挙研究』, Pacific Affairs 及び Journal of Japanese Studies などで10以上の書評、日本選挙学会、 国際政治学会、 国際政治心理学会、 国際コミュニケーション学会、アメリカ政治学会などで60回以上の研究発表を行った。他の活動としては、Political Psychology 誌の編集委員、Journal of Japanese Studies、 Political Psychology、Journal of Asian Studies、Japanese Journal of Political Science, Journal of Communication などの各誌において論文審査員をつとめるほか、Politics, Groups, and the Individual 誌(ドイツ/オランダ)の上級編集委員でもあった。
              各種助成としては、文部省の科学研究費、 国際交流基金、 松下国際財団、学術振興野村基金、キッコーマン基金、大和日英基金、フルブライト基金などを受理しているほか、国際政治心理学会のERIK H. ERIKSON AWARD for Distinguished Early Career Contribution to Political Psychology(若手の政治心理学者として、3 冊の本および 15 編の学術論文など、同分野への優れた貢献に対して)を1993年に受賞している。 現在、ドイツ、ノモス出版社・政治心理学シリーズの共同編集長(Co-Editor-in-Chief, Political Psychology Series, Nomos Verlagsgesellschaft mbH)および国際政治学会・政治心理学の副部会長(Vice President, Research Committee on Psycho-Politics, International Political Science Association)としての学会活動。
      
2.<研究/専門分野の関心:政治と人間の心理>
    私の専門は政治心理学です。特に政治と人間との関わりの中で、人間の心理に関するものが主な関心事項です。人間の社会的(政治的)行動と心理的な要因の関係について、比較文化的側面からの研究を行っています。具体的には、投票やリーダーシップといった日本人の政治行動と、その理由や結果について研究を行い、さらに他の先進国のそれと比較しています。ここ三十年間は、日本のメディアの政治における役割に焦点を当てています。特に政治報道の内容と影響が、情報源とジャーナリストの関係や諷刺漫画の特徴と構造、および政治的なイメージの形成と変化、政治リーダーのパーソナリティ(政治的動機と人格)が日本と他の社会ではどう違うかなどについて研究してきました。加えて政治におけるシンボルや言語、その特徴といったものも取り上げてきました。
   現在の基本的な興味は、政治におけるコミュニケーションの影響です。「日本の政治過程の中でも、テレビのインタビュー番組での質問はどういった特徴があるか、また日本の指導的立場にある政治家などがどのように幅広い質問に答えているのか」といった内容を研究の中心課題にしています。
   日本の政治はユニークな部分が多々あります。じゃあ具体的にどこかと考えても、本当に数えきれません。その中でユニークな部分を見つけていくことは、私にとって非常に面白い作業です。これからも学生諸君と一緒に、様々なことに興味を持ちながら、研究を重ねていきたいと思います。
 
3.<講義に関心て:政治行動とは>
              政治という言葉や概念についてはたくさんの定義があり、同時にたくさんの勉強方法もあります。 人間行動を中心とする政治学の研究者 としては、政治とは生きているものですから、特に二つのものがからんだプロセスと考えています。
              その1つはコミュニケーションのプロセスです。広い意味ではコミュニケーションがなければ政治は存在し得ません。というのは、コ ミュニケーション (言葉を中心とする)を通して候補者は自分の政治的な考え方を一般市民にアピールし、支援を求め、政治家同士の交渉 を行い、法律(言葉を中心とする)をつくります。マス・メディアは言葉において政治状況、政治家の行動、新しい政策、あるいは法案 などを解釈することによって、市民の政治的行動を左右します。また、国民は政権に対してマス・メディアで行われる世論調査を通して 要求や不満を表わします。この政治過程におけるコミュニケーション・プロセスの重要性は、今欧米社会では最も関心を集めていることです。
              もう1つは参加のプロセスです。政治はみんなの周りにあるのですから、関わりやすいものです。もちろんある人は関心が高く、関わ りたいという気持ち(あるいは使命感)を持って、政治的に活発な行動をとろうとし、たとえば政治家になりたいなどと思うのです。 他の人は政治に対する関心がさほど高くなく、ある程度までは政治情報を求めようとしますし、時々は投票もします。一方、全く関心が なくて実際には政治に対する不信感を持っている人もいます。それは人によって関心度は違うし、関わり方が異なりますが、それもこの 人の心理的、経済的、社会的状況、および教育のレベルと関係があります。現代国家において理想的に言えば、なるべく多くの市民が政 治に対して興味を持って関わると生活の流儀は良くなるだろうと言われています。
              参加の過程とコミュニケーションの過程は、社会や文化によって異なる形をとりますし、国の国民性とも関係があります。その社会や 国の政治におけるコミュニケーションと政治参加を勉強することで、一般的な政治の特徴、およびその国の政治的教育、政治に対する態 度、リーダーシップのあり方などを理解することができます。
              講義では、政治参加の過程とコミュニケーションの過程の結果が個人や集団、国家にどのような影響をもたらすかということについて 解説します。具体的にはコミュニケーションやリーダーシップ、政治と文化、学習と政治的社会化などについて細かく論じます。論理的な話だけではなく、私自身が政治家やオピニオン・リーダーなどの関係者から集めたデータも折り込んで講義します。同時に、政治家やマス・メディア関係者などを授業に招き、政治や日本社会についての話を聞いて現代の日本の見方、若者の関わり方及び役割について話してもらう予定です。二〇〇四~十四年度は衆・参院議員や外務副大臣、県議、市議といった政治家のほか、国会議員秘書や経済産業省課長補佐、在日大使館次席/公使といった政治関係者を招いています。他にも、共同通信社論説委員長、同政治部副部長、朝日新聞東京本社政治部長、同部記者、同大阪本社論説委員、同社会部記者、同京都総局長、読売新聞東京本社政治部長、同論説委員、毎日新聞東京本社論説委員、同記者、ジャパンタイムズ編集部次長、政治フリージャーナリスト、日本外国特派員といったメディア関係者も多数お呼びしたほか、NGO関連校校長、同活動家、構想日本パブリシティ担当ディレクター、国内外の大学教育研究者なども招き、それぞれの仕事について語ったり学生諸君といろいろな意見交換をしたりするなどし、直接接触した学生にとっても大変良い経験となりました。
 
4.<学生に一言:政治はあなたの身の回り、興味を持って>
              私の言いたいこと、まずひとつは Sense of Purpose「目標の認識」を持って、つまり自己実現のための目標をつくり、その達成のために野心やエネルギーを使って欲しいということです。
              もうひとつは情報を収集することです。特にマスコミを通して世の中のことを読んだり聞いたりして理解して欲しいのです。基本的な情報はまず新聞にたくさんあり、記事はもちろん、川柳や諷刺漫画、広告まで、いろいろなことを新聞は表現しています。それを自分なりに毎日集めて社会のあり方を把握するのがまず社会的生活の第一歩です。
              「目標の認識」を持ち、情報を集めることによって、いろいろな異なる視点や意見を持つことができ、興味や関心が豊かになります。これらが人生に意味を与え、社会及び他人、とりわけ家族や友達、先生、場合によっては自分自身に対する態度及び行動に影響が加えられます。結局、大学という場所では何かについての勉強だけではなく、自分に対する勉強もできるのです。
              これと同時に学んで欲しいのは、自己表現すること、つまり自分自身の考えや意見を示し、物おじしないで考えを述べるということです。授業の後ではなく授業中に、教師に直接疑問を投げかけたり自分の意見や考え方を言うことです。「出る釘は打たれる」と言いますが、出ない釘は錆びてしまうということも覚えておくべきでしょう。だから授業中になるべく「出る」ようにした方が、もっと講義が活気づくと思うのです。


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