オフェル・フェルドマン (Ofer FELDMAN)
 
履歴
(Updated 2012年4月)
 

 昭和 29(1954)年イスラエル生まれ。
 テル・アビブ大学で学士号(1979年、 専攻:歴史学)、
 エルサレム・ヘブライ大学で修士号(1982年、専攻:政治学)、
 文部省奨学金により来日(1982年)、大阪外国語大学日本語コース、
 東京大学新聞研究所・留学生研究生(1982〜1984年)、
 東京大学社会学研究科社会心理学研究室博士課程(1984〜1987年)、
 東京大学より博士号取得(1987年、専攻:社会心理学)。

 現在は同志社大学、政策学部にて教授をつとめる (専攻:政治心理学; 担当授業:政治行動学)。
 以前は、鳴門教育大学助教授、茨城大学で助教授、筑波大学で外国人教師として、 他にも慶応義塾大学, 東京大学などで奉職した経験を持つ。また客員教授として、 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学 (1996年)、イスラエルのテル・アビブ大学(1997年〜1998年)、イギリスのヨーク大学(1999年)、アメリカ合衆国のオハイオ州立大学(2001〜2002年)につとめた。

 今までに 6冊の単独の著書があり、

うち3冊は日本語 
(1)

「人間心理と政治: 政治心理学入門」(早稲田大学出版部、1989年)、
http://www.waseda-up.co.jp/bhtml/89025.html

 
(2)
「イメージで読む『永田町』:政治的イメージの役割と構造に関する実証的研究」(未來社、1992年)、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4624300734/3w-asin-books-22/250-5274388-4303417
および 
(3)
「政治心理学」(ミネルヴァ書房、2006年)。
3冊は英語           
(4)
Politics and the News Media in Japan(ミシガン大学出版部、1993年)、
 
(5)

The Japanese Political Personality: Analyzing the Motivations and Culture of Freshmen Diet Members(マクミラン社、1999年 & セント・マーティンズ社、2000年),

      および 
(6)
Talking Politics in Japan Today(Sussex Academic Press社、2004年 [文庫 2005年])である。
なお単独の編著として 
Political Psychology in Japan: Behind the Nails that Sometimes Stick Out (and Get Hammered Down) (ノヴァ・サイエンス出版、1999年)。
他に共同編集した本が4冊
(1)

Politically Speaking: A Worldwide Examination of Language Used in the Public Sphere (グリーンウッド出版、1998年)、

 
(2)
Beyond Public Speech and Symbols: Explorations in the Rhetoric of Politicians and the Media (グリーンウッド出版、2000年)、
 
(3)
Profiling Political Leaders: Cross-Cultural Studies of Personality and Behavior (グリーンウッド出版、2001年)
および 
(4)

Political Leadership for the New Century: Personality and Behavior Among American Leaders (グリーンウッド出版、2002年)。

加えて 

「現代政治学入門」(ミネルヴァ書房、1992年)、Cross-Cultural Perspectives on Youth and Violence (JAI出版、1998年)、Political Psychology: Cultural and Crosscultural Foundations(マクミラン社/ニューヨーク市立大学出版部、2000年)、Autoritarismus: Kontroversen und Ansatze der Aktuellen Autoritarismusforschung (レスケ&ブドリッヒ社、ドイツ, 2000年),「政治学事典」(弘文堂、2001年)、国際政治事典 (弘文堂、2005年予定)にも共著者として名を連ねている。

 
 学術論文は80編以上あり、 いずれも Political Communication and Persuasion (米国), Journalism Quarterly (米国)、Government Information Quarterly (米国) 、Comparative Political Studies (米国)、Political Psychology (米国)、および Asian (ドイツ)、国内では『新聞学評論』、『社会心理学研究』、『リヴァイアサン』などの学術専門誌に掲載された。
 また『選挙研究』、Pacific Affairs および Journal of Japanese Studies などで10以上の書評、日本選挙学会、国際政治学会、国際政治心理学会、国際コミュニケーション学会、アメリカ政治学会などで50回以上の研究発表を行った。

 他の活動としては Political Psychology 誌の編集委員、Journal of Japanese StudiesPolitical PsychologyJournal of Asian StudiesJournal of Communication の各誌において論文審査員をつとめるほか、Politics, Groups, and the Individual 誌(ドイツ/オランダ)の上級編集委員でもあった。国際政治学会の部会長 (政治心理学) (2000年〜2006年)もつとめた。

 各種助成としては, 文部省の科学研究費, 国際交流基金, 松下国際財団, 学術振興野村基金, キッコーマン基金, 大和日英基金, フルブライト基金、レイデイ・デービス基金などを受理しているほか、国際政治心理学会のERIK H. ERIKSON AWARD for Distinguished Early Career Contribution to Political Psychology(若手の政治心理学者として、3 冊の本、および 15 編の学術論文など同分野への優れた貢献に対して)を1993年に受賞している。

 
2.<研究/専門分野の関心:政治と人間の心理>
私の専門は政治心理学です。大まかに言うと、政治と人間との関わりの中で、人間の心理に関するものというのが全て私の関心事項です。 人間の社会的、政治的行動と心理的な要因の関係について比較文化的側面からの研究を行っています。具体的には、日本人の政治行動 (例えば、投票、リーダーシップ)とその原因と結果について研究を行い、さらにそれを他の先進国と比較したりしています。ここ20 年間は、日本のマスメディアや政治におけるその役割、特に政治報道の内容とその影響、情報源とジャーナリストの関係、諷刺漫画の特 徴と構造、および政治的なイメージの形成と変化、政治リーダーのパーソナリティ、つまり政治的動機と人格が日本と他の社会ではどう 違うか、などについて研究し、加えて政治におけるシンボルや言語、その特徴といったものを取り上げてきました。現在の基本的な興味 は、政治におけるコミュニケーションの影響です。「日本の政治家はコミュニケーションを通していかに聴衆を誘導するか(あるいは、 政治的地位を獲得/維持する際における政治言語、ジョーク、握手の役割)」というのが研究の中心課題となっています。日本の政治は やはりとてもユニークなところがあるのです。じゃあ具体的にどこか、と考えると、ほんとうにきりがありません。その中で何かを見つ けていくというのは、私にとってとても面白い作業です。これからも学生諸君と一緒に、いろいろなことに興味を持ちながら、研究を重 ねていきたいと思います。
 
最近の研究プロジェクト
  1. 新たな勢いにのる政治的コミュニケーション:21世紀におけるインターネットの話法

  2. 政治的シンボルの特徴と役割:日本の政治家、マスコミ、大衆の話術についての研究

  3. シンボリック・ポリティクス:日本の政治的コミュニケーションに対する研究
 
3.<講義に関心て:政治過程とは>
政治という言葉や概念についてはたくさんの定義があり、同時にたくさんの勉強方法もあります。 人間行動を中心とする政治学の研究者 としては、政治とは生きているものですから、特に二つのものがからんだプロセスと考えています。
 その1つはコミュニケーションのプロセスです。広い意味ではコミュニケーションがなければ政治は存在し得ません。というのは、コ ミュニケーション (言葉を中心とする)を通して候補者は自分の政治的な考え方を一般市民にアピールし、支援を求め、政治家同士の交渉 を行い、法律(言葉を中心とする)をつくります。マス・メディアは言葉において政治状況、政治家の行動、新しい政策、あるいは法案 などを解釈することによって、市民の政治的行動を左右します。また、国民は政権に対してマス・メディアで行われる世論調査を通して 要求や不満を表わします。この政治過程におけるコミュニケーション・プロセスの重要性は、今欧米社会では最も関心を集めていることです。
 もう1つは参加のプロセスです。政治はみんなの周りにあるのですから、関わりやすいものです。もちろんある人は関心が高く、関わ りたいという気持ち(あるいは使命感)を持って、政治的に活発な行動をとろうとし、たとえば政治家になりたいなどと思うのです。 他の人は政治に対する関心がさほど高くなく、ある程度までは政治情報を求めようとしますし、時々は投票もします。一方、全く関心が なくて実際には政治に対する不信感を持っている人もいます。それは人によって関心度は違うし、関わり方が異なりますが、それもこの 人の心理的、経済的、社会的状況、および教育のレベルと関係があります。現代国家において理想的に言えば、なるべく多くの市民が政 治に対して興味を持って関わると生活の流儀は良くなるだろうと言われています。
 参加の過程とコミュニケーションの過程は、社会や文化によって異なる形をとりますし、国の国民性とも関係があります。その社会や 国の政治におけるコミュニケーションと政治参加を勉強することで、一般的な政治の特徴、およびその国の政治的教育、政治に対する態 度、リーダーシップのあり方などを理解することができます。
 講義では、政治参加の過程とコミュニケーションの過程の結果が個人や集団、国家にどのような影響をもたらすかということについて 解説します。具体的にはコミュニケーションやリーダーシップ、政治と文化、学習と政治的社会化などについて細かく論じます。論理的 な話だけではなく、私自身が政治家やオピニオン・リーダーなどの関係者から集めたデータも折り込んであります。それから私の授業の 慣例ですが、政治家や政治記者などを授業に招き、こういう人たちから政治についての話を聞いて、現代の日本の見方、若者の役割につ いて話してもらいます。2004年度はあるメディアの政治部編集委員、社会部記者、国会議員の秘書などをお招きしましたが、皆さん ご自分の仕事について語り、学生諸君といろいろな意見交換をすることができ、こういった国政に関わる人々と直接接触したことは学生 にとってもたいへんいい経験になりました。
 
4.<学生に一言:政治はあなたの身の回り、興味を持って>
 私の言いたいこと、まずひとつは Sense of Purpose「目標の認識」を持って、つまり自己実現のための目標をつくり、その達成のために野心やエネルギーを使って欲しいということです。
 もうひとつは情報を収集することです。特にマスコミを通して世の中のことを読んだり聞いたりして理解して欲しいのです。基本的な情報はまず新聞にたくさんあり、記事はもちろん、川柳や諷刺漫画、広告まで、いろいろなことを新聞は表現しています。それを自分なりに毎日集めて社会のあり方を把握するのがまず社会的生活の第一歩です。
 「目標の認識」を持ち、情報を集めることによって、いろいろな異なる視点や意見を持つことができ、興味や関心が豊かになります。これらが人生に意味を与え、社会及び他人、とりわけ家族や友達、先生、場合によっては自分自身に対する態度及び行動に影響が加えられます。結局、大学という場所では何かについての勉強だけではなく、自分に対する勉強もできるのです。
 これと同時に学んで欲しいのは、自己表現すること、つまり自分自身の考えや意見を示し、物おじしないで考えを述べるということです。授業の後ではなく授業中に、教師に直接疑問を投げかけたり自分の意見や考え方を言うことです。「出る釘は打たれる」と言いますが、出ない釘は錆びてしまうということも覚えておくべきでしょう。だから授業中になるべく「出る」ようにした方が、もっと講義が活気づくと思うのです。


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