千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定

【法令番号 】平成八年七月二十五日条約第七号
【施行年月日】平成八年七月二十八日外務省告示第三百三十四号

 この協定の締約国は、
 平和の維持、正義及び世界のすべての人民の進歩に対する千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約(以下「条約」という。)の重要な貢献を認め、国の管轄権の及ぶ区域の境界の外の海底及びその下(以下「深海底」という。)並びに深海底の資源が人類の共同の財産であることを再確認し、
 海洋環境の保護及び保全に対する条約の重要性並びに地球環境に対する関心の高まりに留意し、
 条約の第十一部及び関連する規定(以下「第十一部」という。)に関する未解決の問題について千九百九十年から千九百九十四年まで諸国間で行われた非公式の協議の結果に関する国際連合事務総長の報告を検討し、
 第十一部の規定の実施に影響を及ぼす政治的及び経済的変化(市場指向の方向性を含む。)に留意し、
 条約への普遍的な参加を促進することを希望し、
 第十一部の規定の実施に関し協定を作成することが、この目的に最もよく合致することを考慮して、
 次のとおり協定した。

第一条 第十一部の規定の実施
1 この協定の締約国は、この協定に従って第十一部の規定を実施することを約束する。
2 附属書は、この協定の不可分の一部を成す。

第二条 この協定と第十一部の規定との関係
1 この協定及び第十一部の規定は、単一の文書として一括して解釈され、かつ、適用される。この協定と第十一部の規定とが抵触する場合には、この協定が優先する。
2 条約の第三百九条から第三百十九条までの規定は、条約に適用するのと同様にこの協定について準用する。

第三条 署名   この協定は、その採択の日から十二箇月の間、国際連合本部において、条約第三百五条1の(a)及び(c)から(f)までに定める国及び主体による署名のために開放しておく。

第四条 拘束されることについての同意
1 この協定の採択後においては、条約の批准書、正式確認書又は加入書は、この協定にも拘束されることについての同意の表明とみなされる。
2 いかなる国又は主体も、条約に拘束されることについての同意を既に確定しているか又は当該同意を同時に確定しない限り、この協定に拘束されることについての同意を確定することができない。
3 前条に定める国又は主体は、次のいずれかの方法により、この協定に拘束されることについての同意を表明することができる。
 (a)批准、正式確認又は次条に定める手続を条件としない署名
 (b)批准又は正式確認を条件として署名した後に行われる批准又は正式確認
 (c)次条に定める手続を条件とする署名
 (d)加入
4 条約第三百五条1(f)に定める主体による正式確認は、条約附属書IXの規定に従う。
5 批准書、正式確認書又は加入書は、国際連合事務総長に寄託する。

第五条 簡易な手続
1 この協定の採択の日前に条約の批准書、正式確認書又は加入書を寄託した国又は主体であって、前条3(C)の規定に従ってこの協定に署名したものは、当該国又は主体がこの条に定める簡易な手続を用いない旨の書面による通告をこの協定の採択の日の後十二箇月が経過する日前に寄託者に行わない限り、当該十二箇月が経過する日にこの協定に拘束されることについての同意を確定したものとみなされる。
2 1の通告が行われた場合には、この協定に拘束されることについての同意は、前条3(b)の規定に従って確定される。

第六条 効力発生
1 この協定は、四十の国が自国が拘束されることについての同意を前二条の規定に従って確定した日の後三十日で効力を生ずる。ただし、第三次国際連合海洋法会議の決議II(以下「決議II」という。)1(a)に定める国のうち、少なくとも五の先進国を含む七以上の国が当該四十の国に含まれていることを条件とする。効力発生のためのこれらの条件が千九百九十四年十一月十六日前に満たされる場合には、この協定は、同日に効力を生ずる。
2 1に定める要件が満たされた後にこの協定に拘束されることについての同意を確定する国又は主体については、この協定は、当該国又は主体が拘束されることについての同意を確定した日の後三十日目の日に効力を生ずる。

第七条 暫定的適用
1 この協定は、千九百九十四年十一月十六日に効力を生じていない場合には、効力が生ずるまでの間、次の国又は主体により暫定的に適用される。
 (a)国際連合総会においてこの協定の採択に同意した国。ただし、千九百九十四年十一月十六日前に、寄託者に対し、この協定を暫定的に適用しない旨又はその後の署名若しくは書面による通告によってのみ暫定的に適用することについての同意を表明する旨を書面によって通告した国を除く。
 (b)この協定に署名する国又は主体。ただし、この協定を暫定的に適用しない旨の書面による通告を署名の時に寄託者に行う国又は主体を除く。
 (c)寄託者に対する書面による通告により暫定的に適用することに同意した国又は主体
 (d)この協定に加入する国
2 1に定めるすべての国又は主体は、その国内法令又は内部の法令に従い、千九百九十四年十一月十六日又は署名、同意の通告若しくは加入の日のいずれか遅い日からこの協定を暫定的に適用する。
3 暫定的適用は、この協定が効力を生ずる日に終了する。いかなる場合にも、決議II1(a)に定める国のうち、少なくとも五の先進国を含む七以上の国によるこの協定に拘束されることについての同意に関する前条1に定める要件が千九百九十八年十一月十六日前に満たされない場合には、暫定的適用は、同日に終了する。

第八条 締約国
1 この協定の適用上、「締約国」とは、この協定に拘束されることに同意し、かつ、自国についてこの協定の効力が生じている国をいう。
2 この協定は、条約第三百五条1の(c)から(f)までに定める主体であって、それぞれの主体に関連する条件に従ってこの協定の当事者となるものに準用する。この場合において、「締約国」とは、当該主体をいう。

第九条 寄託者   国際連合事務総長をこの協定の寄託者とする。

第十条 正文   アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするこの協定の原本は、国際連合事務総長に寄託する。

 以上の証拠として、下名の全権委員は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。

 千九百九十四年七月二十八日にニュー・ヨークで作成した。

附属書

第一節 締約国による費用の負担及び組織に関する規定
1 国際海底機構(以下「機構」という。)は、条約の締約国が、特に深海底の資源を管理することを目的として、第十一部の規定及びこの協定に基づいて設けられる深海底のための制度に従って深海底における活動を組織し及び管理するための機関である。機構の権限及び任務は、条約によって明示的に規定されるものとする。機構は、深海底における活動についての権限の行使及び任務の遂行に含まれ、かつ、必要である付随的な権限であって、条約に適合するものを有する。

2 締約国による費用の負担を最小にするため、条約及びこの協定に基づいて設置されるすべての機関及び補助的な組織は、費用対効果の大きいものとする。この原則は、会合の開催頻度、期間及び日程についても適用する。

3 機構の機関及び補助的な組織の設置及び任務については、これらの機関及び組織が深海底における活動の各段階において各自の責任を効果的に果たすことができるよう、これらの機関及び組織の任務の遂行の必要性を考慮して、必要に応じて発展させていくという取組方法に基づいたものとする。

4 条約が効力を生じた後の機構の当初の任務は、総会、理事会、事務局、法律・技術委員会及び財政委員会が遂行する。経済計画委員会の任務は、理事会が別段の決定を行う時まで又は開発のための最初の業務計画が承認される時まで、法律・技術委員会が遂行する。

5 条約が効力を生じてから開発のための最初の業務計画が承認されるまでの間、機構は、次の任務に専念する。
(a)探査のための業務計画の承認のための申請について、第十一部の規定及びこの協定に従って行われる処理
(b)条約第三百八条5及び決議II13の規定に基づき、国際海底機構及び国際海洋法裁判所のための準備委員会(以下「準備委員会」という。)の決定で登録された先行投資者及びその証明国(これらの者及び国の権利及び義務を含む。)に関連するものを実施すること。
(c)契約の形式をとる承認された探査のための業務計画の遵守の監視
(d)深海底における採鉱の活動に関する動向及び発展の監視及び検討(世界の金属市況、金属の価格並びにこれらに関する動向及び予測の定期的な分析を含む。)
(e)深海底からの鉱物の生産により最も深刻な影響を受けることが予想される当該鉱物の陸上生産国である開発途上国の経済に対する当該生産の潜在的な影響の研究。当該研究は、これらの国の困難を最小のものとし、かつ、当該国の経済調整を援助することを目的とするものであり、準備委員会の関連する作業を考慮して行われる。
(f)深海底における活動の実施に必要な規則及び手続を当該活動の進展に応じて採択すること。条約附属書III第十七条2の(b)及び(c)の規定にかかわらず、当該規則及び手続は、この協定の規定、深海底における商業的な採鉱の開始の遅延及び深海底における活動の予想される進展の速度を考慮に入れるものとする。
(g)海洋環境の保護及び保全のために適用される基準について定める規則及び手続の採択
(h)深海底における活動に関連する海洋の科学的調査の実施の促進及び奨励並びに、利用可能な場合には、当該科学的調査及び分析の結果の収集及び普及。特に、深海底における活動の環境に対する影響に関連する調査に重点を置くものとする。
(i)深海底における活動に関連する科学的知識の取得及び当該活動に関連する海洋技術(特に、海洋環境の保護及び保全に関するもの)の開発の状況の把握
(j)概要調査及び探査に関する利用可能なデータの評価
(k)開発のための規則及び手続(海洋環境の保護及び保全に関するものを含む。)の適時の作成

6(a)探査のための業務計画の承認のための申請については、法律・技術委員会からの当該申請に関する勧告を受けて理事会が検討する。当該申請の処理は、次の規定に従うことを条件として、条約(附属書IIIを含む。)及びこの協定に従って行われるものとする。
(i)決議II1(a)の(ii)若しくは(iii)に定める国、主体若しくは当該主体の構成者であって、条約が効力を生ずる前に実質的な深海底における活動を既に行っているもの(登録された先行投資者を除く。)又はこれらの者の権利を承継する者のために提出される探査のための業務計画は、申請者が少なくとも三千万合衆国ドルに相当する額を研究及び探査の活動のために支出しており、かつ、業務計画が対象とする鉱区の位置の選定、調査及び評価のために当該額の十パーセント以上の額を支出していることを一又は二以上の保証国が証明する場合には、業務計画の承認のために必要な資金的及び技術的な基準を満たしているものとみなされる。当該業務計画は、条約並びに条約に基づいて採択される規則及び手続の要件を満たす場合には、契約の形式をとるものとして理事会によって承認される。第三節11の規定は、この(i)の規定に従い解釈され、かつ、適用される。
(ii)決議II8(a)の規定にかかわらず、登録された先行投資者は、条約が効力を生じてから三十六箇月以内に、探査のための業務計画の承認を要請することができる。当該業務計画は、登録の前又は後に準備委員会に提出された文書、報告その他のデータから成るものとし、決議II11(a)の規定に基づいて準備委員会によって発給される遵守の証明書(先行投資者に関する制度の下における義務の履行状況を記述した事実関係に関する報告から成る。)が添付されるものとする。このような業務計画は、承認されたものとみなされる。承認された業務計画は、第十一部の規定及びこの協定に基づき、機構と登録された先行投資者との間で締結される契約の形式をとる。決議II7(a)の規定に従って支払われた二十五万合衆国ドルの手数料は、第八節3に規定する探査の段階に関する手数料とみなされる。第三節11の規定は、この(ii)の規定に従い解釈され、かつ、適用される。
(iii)(i)に定める国、主体又は当該主体の構成者との契約には、無差別の原則に従い、(ii)に定める登録された先行投資者との間で合意される措置と類似であり、かつ、当該措置よりも不利でない措置を含める。(i)に定める国、主体又は当該主体の構成者に対し一層有利な措置が認められる場合には、理事会は、(ii)に定める登録された先行投資者が有する権利及び義務に関し、当該一層有利な措置と類似であり、かつ、当該一層有利な措置よりも不利でない措置について取り決める。ただし、その取決めは、機構の利益に影響を与え又はこれを害するものであってはならない。
(iv)締約国、第七条の規定に従ってこの協定を暫定的に適用している国又は12の規定に基づく機構の暫定的な構成国は、(i)又は(ii)の規定に従って業務計画の申請を保証することができる。
(v)決議II8(c)の規定は、(iv)の規定に従い解釈され、かつ、適用される。
(b)探査のための業務計画の承認は、条約第百五十三条3の規定に従って行われる。

7 業務計画の承認のための申請には、機構が採択する規則及び手続に従い、提案された活動の環境に及ぼす潜在的な影響についての評価並びに海洋学の研究及び環境の基本的な研究のための計画についての説明を添付する。

8 探査のための業務計画の承認のための申請は、6(a)の(i)又は(ii)の規定に従うことを条件として、第三節11に定める手続に従って処理される。

9 探査のための業務計画は、十五年の期間について承認される。探査のための業務計画が終了した場合において、契約者が開発のための業務計画の申請をしていないとき又は契約者の探査のための業務計画の延長が認められていないときは、当該契約者は、開発のための業務計画を申請する。契約者は、一回当たり五年を超えない期間について探査のための業務計画の延長を申請することができる。当該延長は、契約者が業務計画の要件を誠実に遵守するよう努力しているにもかかわらず、当該契約者にとってやむを得ない理由により、開発の段階への移行のための必要な準備作業を完了することができない場合又は延長の申請が行われた時点の経済状況のために開発の段階に移行しないことについて正当な理由がある場合には、承認されるものとする。

10 条約附属書III第八条の規定に基づく機構のための留保鉱区の指定は、探査のための業務計画の申請の承認又は探査及び開発のための業務計画の申請の承認に関連して行われる。

11 9の規定にかかわらず、この協定を暫定的に適用する一以上の国によって保証されている承認された探査のための業務計画は、当該国がこの協定を暫定的に適用することを終止した場合において、当該国が12の規定に従って機構の暫定的な構成国とならず又は締約国とならないときは、終了する。

12 第七条の規定に従ってこの協定を暫定的に適用してきた第三条に定める国又は主体は、この協定が効力を生じた場合において、この協定の効力が当該国又は主体について生じていないときは、当該国又は主体についてこの協定の効力が生ずるまでの間、次の(a)から(c)までの規定により引き続き機構の暫定的な構成国となることができる。
(a)この協定が千九百九十六年十一月十六日前に効力を生ずる場合において、機構の暫定的な構成国として参加する意思を有する国又は主体がこの協定の寄託者にその旨を通告するときは、当該国又は主体は、引き続き機構の暫定的な構成国として参加する権利を有する。機構の暫定的な構成国としての地位は、千九百九十六年十一月十六日又はこの協定及び条約が当該構成国について効力を生ずる日のいずれか早い日に終了する。理事会は、当該国又は主体がこの協定及び条約を締結するために誠実に努力していると認める場合には、当該国又は主体の要請により、当該地位を合計二年を超えない期間延長することができる。
(b)この協定が千九百九十六年十一月十五日後に効力を生ずる場合には、国及び主体は、千九百九十八年十一月十六日までの期間について機構の暫定的な構成国としての地位を引き続き認めることを理事会に要請することができる。理事会は、当該国又は主体がこの協定及び条約を締結するために誠実に努力していると認める場合には、その要請が行われた日から当該地位を認める。
(c)(a)又は(b)の規定に従って機構の暫定的な構成国となる国又は主体は、第十一部の規定及びこの協定をその国内法令又は内部の法令に従い、かつ、年次予算の範囲内で適用するものとし、また、次の権利及び義務を含む他の構成国と同一の権利及び義務を有する。
(i)分担率に従って機構の運営予算に対する分担金を支払う義務
(ii)探査のための業務計画の承認のための申請を保証する権利。二以上の国籍を有する自然人又は法人によって構成される主体については、当該主体を構成する自然人又は法人がその国籍を有するすべての国が締約国又は機構の暫定的な構成国である場合に限り、探査のための業務計画は、承認される。
(d)9の規定にかかわらず、機構の暫定的な構成国である国によって(c)(ii)の規定に基づいて保証されている契約の形式による承認された探査のための業務計画は、当該暫定的な構成国としての地位が終了し、かつ、国又は主体が締約国とならない場合には、終了する。
(e)機構の暫定的な構成国が、分担金を支払わない場合又はこの12の規定に基づく義務を遵守しない場合には、機構の暫定的な構成国としての地位は、終了する。

13 条約附属書III第十条に規定する満足すべきものでない履行状況とは、承認された業務計画の要件を遵守すべきである旨の機構の書面による警告にもかかわらず、契約者が当該業務計画の要件を遵守しない状況をいう。

14 機構は、自己の予算を有する。この協定が効力を生ずる年の翌年の末までの間、機構の運営経費は、国際連合の予算から支弁する。その後は、条約の第百七十一条 (a)及び第百七十三条の規定並びにこの協定に従い、機構がその運営経費に充てるための十分な資金を他の財源から得るようになるまでの間、機構の運営経費は、暫定的な構成国を含む機構の構成国の分担金をもって支弁する。機構は、その運営予算に充てるための借入れを行うために条約第百七十四条1に定める権限を行使してはならない。

15 機構は、条約第百六十二条2(o)(ii)の規定に従い、第二節及び第五節から第八節までに定める原則に基づく規則及び手続並びに探査又は開発のための業務計画の承認を促進するための追加的な規則及び手続を、次の(a)から(c)までの規定に従って作成し、採択する。
(a)理事会がこれらの規則及び手続の全部若しくは一部が深海底における活動の実施のために必要であると認める場合若しくは商業的開発が目前であると決定する場合又は自国の国民が開発のための業務計画の承認のための申請を行う意図を有する国の要請がある場合には、理事会は、当該規則及び手続の作成を行うことができる。
(b)(a)に定める国の要請がある場合には、理事会は、条約第百六十二条2(o)の規定に従い、当該要請があった時から二年以内に規則及び手続の採択を完了する。
(c)理事会が所定の期間内に開発に関する規則及び手続の作成を完了しておらず、開発のための業務計画の承認のための申請が処理されない状況が続く場合には、理事会は、条約及び、理事会が暫定的に採択した規則及び手続がある場合には、当該規則及び手続に基づいて又は条約に含まれる規範、この附属書に含まれる条件及び原則並びに契約者の間における無差別の原則に基づいて、当該業務計画を審査し、暫定的に承認する。

16 準備委員会の報告及び勧告に含まれる第十一部の規定に関連する規則及び手続の案並びに勧告は、機構が第十一部の規定及びこの協定に従って規則及び手続を採択する際に考慮される。

17 第十一部第四節の関連する規定は、この協定に従い解釈され、かつ、適用される。

第二節 事業体
1 機構の事務局は、事業体が当該事務局から独立して運営を開始するまでの間、事業体の任務を遂行する。機構の事務局長は、事務局による当該任務の遂行を監督するため、機構の職員のうちから事業体の暫定的な事務局長を任命する。当該任務は、次のとおりとする。
(a)深海底における採鉱の活動に関する動向及び発展の監視及び検討(世界の金属市況、金属の価格並びにこれらに関する動向及び予測の定期的な分析を含む。)
(b)深海底における活動に関連する海洋の科学的調査の実施によって得られた結果の評価。特に、深海底における活動の環境に対する影響に関連する調査に重点を置くものとする。
(c)概要調査及び探査に関する利用可能なデータの評価(これらの活動に適用される基準の評価を含む。)
(d)深海底における活動に関連する技術(特に、海洋環境の保護及び保全に関するもの)の開発の評価
(e)機構のために留保された鉱区に関する情報及びデータの評価
(f)合弁事業によって操業を行うという取組方法についての評価
(g)訓練された人的資源の利用可能性に関する情報の収集
(h)事業体の操業のそれぞれ異なる段階における事業体の管理についての運営方針の選択肢に関する研究

2 事業体は、当初の深海底における採鉱の操業を合弁事業によって行う。事業体以外の主体による開発のための業務計画が承認されたとき又は事業体との合弁事業による操業のための申請が理事会によって受理されたときは、理事会は、事業体を機構の事務局から独立して機能させることについての問題を取り上げる。事業体との合弁事業による操業が健全な商業上の原則に基づいている場合には、理事会は、条約第百七十条2の規定に基づき、独立して機能することを指示する。

3 事業体の一の採鉱を行う場所に関し資金を供与するとの条約附属書IV第十一条3に規定する締約国の義務は、適用されないものとする。締約国は、事業体のいずれの採鉱を行う場所における操業又は合弁事業の取決めに基づく操業に対しても資金を供与するいかなる義務も負うものではない。

4 契約者に適用される義務は、事業体についても適用される。条約の第百五十三条3及び附属書III第三条5の規定にかかわらず、事業体の承認された業務計画は、機構と事業体との間で締結される契約の形式をとる。

5 機構に対して留保鉱区として特定の鉱区を提供した契約者は、当該留保鉱区における探査及び開発のための合弁事業の取決めを事業体と行うことについて優先権を有する。事業体が機構の事務局から独立して機能を開始した日又は当該留保鉱区が機構のために留保された日のいずれか遅い日から十五年以内に、事業体が当該留保鉱区における活動について業務計画の申請を提出しない場合には、当該留保鉱区を提供した契約者は、合弁事業への参加者として事業体を含めることを誠実に申し出ることを条件として、当該留保鉱区を対象とする業務計画を申請する権利を有する。

6 条約の第百七十条4、附属書IV及び事業体に関連するその他の規定は、この節の規定に従い解釈され、かつ、適用される。

第三節 意思決定
1 機構の一般的な政策は、総会が理事会と協力して定める。

2 原則として、機構の機関の意思決定は、コンセンサス方式によって行うべきである。

3 コンセンサス方式によって決定を行うためのあらゆる努力が払われた場合には、手続問題についての総会における投票による決定は出席しかつ投票する構成国の過半数による議決で行い、実質問題についての決定は、条約第百五十九条8の規定に従い、出席しかつ投票する構成国の三分の二以上の多数による議決で行う。

4 総会は、理事会が権限を有するあらゆる事項又は運営、予算若しくは財政に関するあらゆる事項について決定を行う場合には、理事会の勧告に基づいて行う。総会は、いずれかの事項について理事会の勧告を受け入れない場合には、当該事項を更に審議させるために理事会に差し戻す。理事会は、総会によって表明された意見に照らして当該事項について再検討を行う。

5 コンセンサス方式によって決定を行うためのあらゆる努力が払われた場合には、手続問題についての理事会における投票による決定は出席しかつ投票する理事国の過半数による議決で行い、実質問題についての決定は、条約がコンセンサス方式によって決定を行うことを定めている場合を除くほか、出席しかつ投票する理事国の三分の二以上の多数による議決で行う。ただし、9に定める区分のいずれにおいても当該区分を構成する理事国の過半数による反対がないことを条件とする。理事会は、決定を行うに当たり、機構のすべての構成国の利益を促進するよう努力する。

6 理事会は、問題についてコンセンサスに達するためのあらゆる努力が払われていないことが明らかな場合には、交渉の継続を促進するため、決定を延期することができる。

7 総会又は理事会による決定で財政上又は予算上の影響を伴うものは、財政委員会の勧告に基づいて行われるものとする。

8 条約第百六十一条8の(b)及び(c)の規定は、適用しない。

9(a) 15の(a)から(c)までの規定に基づいて選出された国の各集団は、理事会における投票のためそれぞれ一の区分として扱われる。15の(d)及び(e)の規定に基づいて選出された開発途上国は、理事会における投票のため一の区分として扱われる。
(b)理事国の選出に先立ち、総会は、15の(a)から(d)までに定める国の集団の構成国となるための基準を満たす国の表を作成する。ある国が二以上の集団の構成国となるための基準を満たす場合には、当該国は、理事国の選出のため一の集団によってのみ推薦されることができるものとし、理事会における投票においては、当該一の集団のみを代表する。

10 15の(a)から(d)までに定める国の集団は、それぞれ、当該集団が指名した理事国によって理事会において代表される。各集団は、当該集団が占める理事会の議席の数と同数の候補を指名する。15の(a)から(e)までに定める各集団における潜在的な候補の数が各集団に割り当てられた理事会の議席の数を超える場合には、原則として、輪番の原則を適用するものとし、各集団の構成国は、当該集団においてこの原則をどのように適用するかを決定する。

11(a)理事会は、出席しかつ投票する理事国の三分の二以上の多数(理事会の各区分の理事国のうち出席しかつ投票するものの過半数を含むことを条件とする。)により業務計画を不承認とすることを決定しない限り、業務計画の承認のための法律・技術委員会の勧告を承認する。理事会が所定の期間内に業務計画の承認のための勧告についての決定を行わない場合には、当該勧告は、当該所定の期間の満了時に理事会によって承認されたものとみなす。所定の期間は、理事会が一層長い期間を定めない限り、原則として六十日とする。理事会は、当該委員会が業務計画の不承認を勧告する場合又はいかなる勧告も行わない場合においても、実質問題についての意思決定のための理事会の手続規則に従い、当該業務計画を承認することができる。
(b)条約第百六十二条2(j)の規定は、適用しない。

12 業務計画の不承認に関連して紛争が生ずる場合には、当該紛争は、条約に定める紛争解決手続に付されるものとする。

13 法律・技術委員会における投票による決定は、出席しかつ投票する委員の過半数による議決で行う。

14 第十一部第四節のB及びCの規定は、この節の規定に従い解釈され、かつ、適用される。

15 理事会は、総会が選出する機構の三十六の構成国で構成される。その選出については、次の順序によって行う。
(a)統計が入手可能な最近の五年間に、深海底から採取される種類の鉱物から生産された産品について、世界全体の消費額の二パーセントを超える額を消費した締約国又は世界全体の輸入額の二パーセントを超える額を輸入した締約国のうちから四の理事国。ただし、東欧地域の国のうち国内総生産との関連で最大の経済の規模を有する一の国及び条約が効力を生ずる日において国内総生産との関連で最大の経済の規模を有する一の国がこの(a)に定める集団を代表することを希望する場合には、この四の理事国には、これらの国を含める。
(b)直接に又はその国民を通じて、深海底における活動の準備及び実施に最大の投資を行っている八の締約国のうちから四の理事国
(c)その管轄の下にある地域における生産を基礎として、深海底から採取される種類の鉱物の主要な純輸出国である締約国のうちから四の理事国。ただし、少なくとも二つの理事国は、自国による当該鉱物の輸出がその経済に重要な関係を有している開発途上国から選出する。
(d)開発途上国である締約国のうちから特別の利益を代表する六の理事国。代表される当該特別の利益には、人口の多い国、内陸国又は地理的不利国、島嶼国、深海底から採取される種類の鉱物の主要な輸入国、当該鉱物の潜在的な生産国及び後発開発途上国の利益を含む。
(e)理事会全体の議席の衡平な地理的配分を確保するという原則に従って選出される十八の理事国。ただし、各地理的地域からこの(e)の規定により少なくとも一の理事国を選出するものとする。この規定の適用上、地理的地域とは、アフリカ、アジア、東欧、ラテン・アメリカ及びカリブ並びに西欧及びその他をいう。

16 条約第百六十一条1の規定は、適用しない。

第四節 再検討のための会議  再検討のための会議に関する条約第百五十五条の1、3及び4の規定は、適用しない。条約第三百十四条2の規定にかかわらず、総会は、理事会の勧告に基づき、条約第百五十五条1に規定する事項の再検討をいつでも行うことができる。この協定及び第十一部の規定に関する改正については、条約の第三百十四条から第三百十六条までに定める手続に従う。ただし、条約第百五十五条2に定める原則、制度その他の条件は、維持されるものとし、また、同条5に規定する権利は、影響を受けないものとする。

第五節 技術の移転
1 第十一部の規定の適用上、技術の移転は、条約第百四十四条の規定のほか、次の原則によって規律される。
(a)事業体及び深海底における採鉱の技術の入手を希望する開発途上国は、公開の市場における公正かつ妥当な商業的条件で又は合弁事業の取決めを通じて当該技術を入手する。
(b)事業体又は開発途上国が深海底における採鉱の技術を入手することができない場合には、機構は、事業体若しくはその合弁事業又は深海底における採鉱の技術を入手することを求める一若しくは二以上の開発途上国が、知的所有権の有効な保護と両立する公正かつ妥当な商業的条件で当該技術を入手することを促進するために、契約者の全部又は一部の者及びこれらの者の一又は二以上の保証国に対し協力を要請することができる。締約国は、この目的のために機構と十分かつ効果的に協力すること及び自国が保証する契約者が機構と十分に協力することを確保することを約束する。
(c)原則として、締約国は、深海底における活動に関して、関係国間において協力することにより、又は海洋科学及び海洋技術並びに海洋環境の保護及び保全についての訓練、技術援助並びに科学に関する協力についての計画を作成することにより、技術及び科学に関する国際的な協力を促進する。

2 条約附属書III第五条の規定は、適用しない。

第六節 生産政策
1 機構の生産政策は、次の原則に基づくものとする。
(a)深海底の資源の開発は、健全な商業上の原則に従って行われる。
(b)関税及び貿易に関する一般協定、その関連する協定及びこれらを承継し又はこれらに代わる協定の規定は、深海底における活動について適用する。
(c)特に、深海底における活動に対する補助金は、(b)に定める協定に基づき認められる場合を除くほか、交付してはならない。この原則の適用上、補助金とは、当該協定において定義されているものと同一のものをいう。
(d)深海底から採取された鉱物と他の供給源から採取された鉱物との間に差別を設けてはならない。深海底から採取された鉱物又は当該鉱物から生産された産品で輸入されたものに関し、市場へのアクセスについて、特に、次に規定するものを含む優遇措置をとってはならない。
(i)関税又は関税以外の障害の使用によるもの
(ii)締約国により、当該締約国の国営企業若しくは当該締約国の国籍を有し若しくは当該締約国若しくは当該締約国の国民によって支配される自然人若しくは法人によって生産された当該鉱物又は当該鉱物から生産された産品に対して与えられるもの
(e)各鉱区について機構が承認する開発のための業務計画は、当該業務計画に基づいて毎年生産される鉱物の最大生産量の見積りを含む予想される生産計画を明示するものとする。
(f)(b)に定める協定に関する紛争の解決については、次の(i)及び(ii)の規定を適用する。
(i)関係締約国が当該協定の当事国である場合には、当該協定の紛争解決手続を利用するものとする。
(ii)関係締約国のうち一又は二以上の国が当該協定の当事国でない場合には、条約に定める紛争解決手続を利用するものとする。
(g)(b)に定める協定に基づき、ある締約国が禁止されている補助金又は他の締約国の利益に悪影響をもたらす補助金を交付したとの決定が行われ、かつ、関係締約国により適当な措置がとられない場合には、締約国は、理事会に対し適当な措置をとることを要請することができる。

2 1に定める原則は、1(b)に定める協定、自由貿易に関する協定又は関税同盟に関する協定の当事国である締約国の間においては、これらの協定に基づく権利及び義務に対し影響を及ぼすものではない。

3 契約者が1(b)に定める協定に基づいて認められる補助金以外の補助金の交付を受けた場合には、当該契約者は、深海底における活動を行うための業務計画を構成する契約の基本的な条件に違反したものとされる。

4 いずれの締約国も、1の(b)から(d)まで又は3に定める義務に対する違反があったと信ずるに足りる理由がある場合には、1の(f)又は(g)の規定に即して紛争解決手続を開始することができる。

5 締約国は、1の(b)から(d)までに定める義務と両立しないと認める活動については、いつでも理事会の注意を喚起することができる。

6 機構は、この節の規定の実施を確保する規則及び手続(業務計画の承認を規律する規則及び手続を含む。)を作成する。

7 条約の第百五十一条の1から7まで及び9、第百六十二条2(q)、第百六十五条2(n)並びに附属書IIIの第六条5及び第七条の規定は、適用しない。

第七節 経済援助
1 深海底における活動によって影響を受けた鉱物の価格の下落又は当該鉱物の輸出量の減少によりその輸出所得又は経済が深刻な悪影響を受ける開発途上国を、当該下落又は減少が深海底における活動によって生じた限度において援助するための機構の政策は、次の原則に基づくものとする。
(a)機構は、その資金のうち運営経費に充てるために必要な額を超える部分をもって経済援助基金を設置する。この目的のために用いる額は、財政委員会の勧告に基づいて、理事会により随時決定される。経済援助基金の設置のためには、事業体を含む契約者から受けた支払及び任意の拠出からの資金のみを用いる。
(b)深海底からの鉱物の生産によりその経済が深刻な影響を受けたと決定された陸上生産国である開発途上国は、機構の経済援助基金から援助を受ける。
(c)機構は、影響を受けた陸上生産国である開発途上国に対して経済援助基金から援助を提供するに当たり、適当な場合には、そのような援助の計画を実施するための制度的基盤及び専門的知識を有する既存の世界的又は地域的な開発機関と協力する。
(d)援助の規模及び期間は、事案ごとに決定される。その決定を行うに当たっては、影響を受けた陸上生産国である開発途上国が直面している問題の性質及び大きさに妥当な考慮を払う。

2 条約第百五十一条10の規定は、1に規定する経済援助の措置によって実施される。条約の第百六十条2(l)、第百六十二条2(n)、第百六十四条2(d)、第百七十一条(f)及び第百七十三条2(c)の規定については、1の規定に従って解釈する。

第八節 契約の財政的条件
1 契約の財政的条件に関する規則及び手続の作成については、次の原則に基づいて行う。
(a)機構に対する支払に関する制度は、契約者及び機構の双方にとって公正であるものとし、また、契約者によって当該制度が遵守されているか否かを決定するための適切な手段を提供するものとする。
(b)支払に関する制度の下における支払の率については、深海底において採鉱を行う者に対し、人為的な競争上の優位を与え又は競争上の不利益を課することのないように、同一又は類似の鉱物に係る陸上における採鉱についての一般的な支払の率の範囲内のものとしなければならない。
(c)支払に関する制度は、複雑なものであるべきではなく、かつ、機構又は契約者に対して多額の事務費を課するものとすべきではない。ロイヤルティによる支払の制度又はロイヤルティによる支払と利潤の配分による支払との組合せによる支払の制度の採用について検討すべきである。選択式による支払の制度の採用が決定される場合には、契約者は、自己の契約に適用さる支払の制度を選択する権利を有する。選択した支払の制度がその後に変更されるときは、その変更は、機構と契約者との間の合意によって行われるものとする。
(d)年間固定料金については、商業的生産の開始の日から支払う。年間固定料金は、(c)の規定に基づいて採用される支払の制度の下における他の支払に充てることができる。年間固定料金の額は、理事会が定める。
(e)支払の制度については、事情の変化に照らして定期的に改定することができる。いかなる変更も、無差別に適用される。当該変更は、契約者が選択した時にのみ既存の契約に適用することができる。契約者がその選択をした場合において、その後当該選択を変更しようとするときは、その変更については、機構と契約者との間の合意によって行う。
(f)この1に定める原則に基づく規則の解釈又は適用に関する紛争は、条約に定める紛争解決手続に従うものとする。

2 条約附属書III第十三条の3から10までの規定は、適用しない。

3 条約附属書III第十三条2の規定の実施に関し、探査の段階又は開発の段階のいずれか一の段階に係る業務計画の承認のための申請を処理するための手数料は、二十五万合衆国ドルとする。

第九節 財政委員会
1 財政委員会を設置する。財政委員会は、財政事項について適当な資格を有する十五人の委員で構成される。締約国は、最高水準の能力及び誠実性を有する候補者を指名する。

 

2 財政委員会の委員については、そのうちのいずれの二人も、同一の締約国の国民であってはならない。

 

3 財政委員会の委員は、総会が選出するものとし、その選出に当たっては、衡平な地理的配分及び特別の利益が代表されることの必要性に妥当な考慮が払われるものとする。第三節15の(a)から(d)までに定める国の集団は、それぞれ、少なくとも一人の委員によって財政委員会において代表される。機構が運営経費に充てるために十分な資金を分担金以外の財源から得るようになるまでの間、委員には、機構の運営予算に最も多い分担金の額を支払っている五の国の代表を含めるものとし、引き続いて行う各集団からの一人の委員の選出については、各集団の構成国による指名に基づいて行う。この場合において、各集団から当該一人の委員に加えて委員を選出することは妨げられない。

 

4 財政委員会の委員は、五年の任期を有する。委員は、一の任期について再選されることができる。


5 財政委員会の委員の任期満了前に、委員の死亡、心身の故障又は辞任があった場合には、総会は、当該委員と同一の地理的地域又は国の集団から、その残任期間について委員を任命する。

 

6 財政委員会の委員は、財政委員会が勧告を行う責任を有する事項に関するいかなる活動についても、金銭上の利害関係を有してはならない。委員は、機構における職務上知り得た秘密の情報をその職を退いた後も開示してはならない。

 

7 次の事項に関する総会又は理事会の決定については、財政委員会の勧告を考慮して行う。
(a)機構の機関の財政上の規則及び手続の案並びに機構の財政管理及び機構の内部の財政運営
(b)条約第百六十条2(e)の規定による機構の運営予算に対する構成国の分担金の額の決定
(c)すべての関連する財政事項(条約第百七十二条の規定に従って機構の事務局長が作成する年次予算案及び事務局の活動計画の実施の財政的な側面を含む。)
(d)運営予算
(e)この協定及び第十一部の規定の実施によって生ずる締約国の財政上の義務並びに機構の資金からの支出を伴う提案及び勧告が運営及び予算に及ぼす影響
(f)深海底における活動から得られる金銭的利益その他の経済的利益の衡平な配分に関する規則及び手続並びに当該衡平な配分に関する決定

 

8 財政委員会における手続問題についての決定は、出席しかつ投票する委員の過半数による議決で行う。実質問題についての決定は、コンセンサス方式によって行う。

 

9 財政事項を取り扱う補助機関を設置するための条約第百六十二条2(y)の規定は、この節の規定に基づいて財政委員会を設置することによって実施されたものとみなす。