「阪神地区公立高等学校出身者のキャリア形成に関する調査」報告    目次 目次



W 最初の就職について

以上のような現在の就業状況を踏まえた上で、最終学歴となっている学校を卒業した直後の最初の就職(以下「初職」と略記する場合あり)について尋ねている。

最初の勤務先に現在は就業していないサンプル(54.4%)は、継続して就業しているサンプル(45.1%)を上回っているが、問1で「就業していない」と回答したサンプルを除くと、この割合は逆転し、継続就業が56.0%となる(問9)。当然のことながら、最初の勤務先での主な就業形態としては、「正規職員・従業員」という回答が現在の6割に対して8割を超える高割合となっている(問10)。

最初の勤務先の従業員数も、やはり「5000人以上」の大企業が1/4弱と最も多いが、「官公庁・学校」が現在と比較して少ない(問12)。これは、最初の就職では果たせなかったものの、就業しながら公務員試験や教員採用試験に挑戦し、合格した例が一定数存在することを示唆している。実際、後述する転職に関する設問でも、そのような回答が見受けられた。最初の勤務先の主な業種についても同様であり、現在と比較して「教育業」「官公庁」が少なくなっている(問13)。

最初の就職先で最も長く携わった仕事の内容については、概ね新卒者が携わる「一般事務」(19.3%)「営業・販売・接客」(22.8%)が若干増え、その分「専門的な仕事」(28.2%)「研究開発」(10.2%)が減じられている以外は、現在の就業状況と大きく変わらない(問14)。

最初の勤務先に就職した平均年齢は22.2歳(問11)、辞めた平均年齢は26.4歳(問15)であった。男女別に見ると、順に男性が23.2歳と27.9歳、女性が21.8歳と25.9歳となり、いずれも約2歳分女性のほうが早い。辞めた主な理由としては、「よりよい仕事や職場があった(見つける)ため」「結婚」が2割以上を占め、次いで「給料以外の労働条件に不満があった」「勤務先の将来性に不安があった」「引っ越しなどの住居の移動」「能力的(体力的)に無理を感じた」がいずれも15%程度を占めているが、「結婚」「引っ越しなどの住居の移動」は9割以上、「能力的(体力的)に無理を感じた」は8割以上が女性の回答であった(問16)。

なお、最初の仕事を辞めた後、現在までに就業したことがあるサンプルは312であり(問17)、これらの転職経験者について問18〜24で詳しく取り上げている。


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